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【小菅優 音楽と、夢に向かって】2020年、ベートーベンの凄さ、今こそ

生家に展示されているベートーベンのピアノ=ドイツのボン(ロイター)
生家に展示されているベートーベンのピアノ=ドイツのボン(ロイター)

 21世紀になってから、あっという間に20年がたちました。今後世界がどう変わっていくのか、期待と同時に、不安も募るように思えます。

 さて、今年はベートーベン生誕250周年です。作曲家の生誕や没後100年、200年など、記念の年はその作曲家の作品をよく取り上げますが、普段から演奏される機会が多いベートーベンも、今年はもっと多く演奏されることになるのでしょうか。

 私は子供の頃から、ベートーベンをコンサートで演奏しなかった年を思い出せません。また、毎年どこかで必ずベートーベンの曲を演奏している音楽家の方も多いと思います。

 とはいえ、よく演奏されるのは「第九」や「運命」などの名曲ですから、今年は隠れた名作を取り上げるチャンスなのかもしれません。私は、ベートーベンが弱冠15歳で作曲した作品番号の付いていないピアノ協奏曲第0番を今年初めて取り上げる予定です。

 日本では学校の音楽室に掲げられている、いかついベートーベンの肖像画のイメージが抜けないようですが、彼のユーモアにあふれる初期の作品や、内面的で温かみに富んだ中期の作品などもぜひ聴いていただきたいと思います。

 昨夏、ベルリン・フィルが「第九」をブランデンブルク門の前で演奏しました。ここはベルリンの壁が崩壊し東西が統一されたときに、人々であふれかえった記念すべき場所ですが、それから30年がたった昨年、この第九を聴くため、約3万5千人もの人が集まったそうです。

 4楽章の合唱で登場するシラーの「歓喜の歌」の「すべての人間が兄弟となる」という一句は、このときにぴったりだったのではないでしょうか。

 2020年になった今、第二次世界大戦から長い年月がたったかのように思えますが、まだまだ人間の争いが目立つ世の中です。常に人々の自由と平和を望んだベートーベンのメッセージが、今だからこそ必要なのではないでしょうか。(こすげ・ゆう=ピアニスト)

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