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【2019年回顧・漫画】電子版が好調 大英博物館で展覧会、存在感を発揮

大英博物館で開催され、日本漫画の存在感をアピールした「Manga」展=6月、ロンドン(本間英士撮影)
大英博物館で開催され、日本漫画の存在感をアピールした「Manga」展=6月、ロンドン(本間英士撮影)

 出版業界全体が苦しむ中、今年も存在感を発揮したのが漫画だ。海賊版サイト対策などが奏功し、電子版の売り上げが急増。ロンドンの大英博物館では日本漫画の歩みを振り返る展覧会が異例の規模で開催された。ベテラン漫画家の相次ぐ訃報など悲しい知らせがあった一方で、新時代を牽引する人気作も次々と登場した。

電子の好調際立つ

 スマートフォンやタブレットで漫画を読む人が着実に増えているのだろう。出版科学研究所の調査では、今年上半期の電子コミックの推定販売金額は前年同期比27・9%増の1133億円。大幅な伸びを示した。

 好調の理由は、漫画を1話ごとに読ませる「話売り」や試し読みなどのキャンペーンによって読者層が広がったため。「漫画村」(昨年4月に閉鎖)をはじめとした海賊版サイトの違法性・危険性が広まったことも大きい。海賊版を使うリスクの大きさが周知され、正規版を購入する流れにつながったとみられる。

 もっとも、海賊版サイトは今も500程度あるといわれ、予断を許さぬ状況が続く。国は対策の一環として、漫画などの違法ダウンロードの規制強化を目的とした著作権法改正案を来年の通常国会で提出する方針だが、改正案の中身について「実効性が不十分」という有識者の指摘も多く、現在も議論が続いている。

新世代担う作品も

 世界でも多くのファンを抱える日本の漫画。勢いを象徴するのが、5~8月に大英博物館で開催された「Manga」展だ。日本漫画の歩みを紹介する内容で、国外の漫画展としては史上最大規模。記者も現地で取材したが、会場の混雑ぶり、若者の多さに驚いた。世界的影響力のある同館が漫画を明確に評価したことで、漫画の世界発信が今後も進みそうだ。

 漫画界を長年盛り上げてきたベテランの訃報も相次いだ。4月、人気アニメ「ルパン三世」の原作者で漫画家のモンキー・パンチさん、「子連れ狼」など数多くの人気作を手掛けた漫画原作者の小池一夫さんが死去。10月には、一貫して美少女を描き続け、いわゆる「おたく文化」を形作った一人である吾妻ひでおさんの訃報も届いた。

 個々の作品にも目を向けたい。平成15年に始まり、キレのあるギャグで人気を集めた『銀魂』(集英社)が6月に終了。また、朝日小学生新聞で33年続く『落第忍者乱太郎』が年内で連載が終わるなど、人気作・長寿作の終了が目立った。

 一方、漫画界の新世代を担う作品も多く現れた。週刊少年ジャンプで連載中の『鬼滅(きめつ)の刃』(集英社)は、アニメ化効果もあり人気が急上昇。12月に発売した最新18巻の初版発行部数が100万部を記録し、シリーズ累計発行部数は2500万部(電子版含む)を突破するなど絶好調だ。

 このほか、「女子らしさ」という息苦しさを描いた『さよならミニスカート』(集英社)など注目作が目白押し。来年もホットでディープな漫画界から目が離せない。     (文化部 本間英士)

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