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【小菅優 音楽と、夢に向かって】名ホールの響き、演奏家育てる

 平成28年度に、光栄にもサントリー音楽賞という重要な賞をいただき、その受賞記念コンサートが先月初め、東京都港区のサントリーホールでありました。小さい頃からよく母と一緒に聴(き)きに通っていたこのホールへの思い出が、今回よみがえりました。

 ホールの入り口上方の壁には、からくり式のパイプオルゴールが。開場時、それが壁から出てきて、老人と少年の人形がオルゴールを回し、音楽が流れます。子供の私はそれもいつも見たくて、なるべく開場時に行くよう、母をせかしていました。

 そして、日本初のヴィンヤード形式(客席がぶどうの段々畑状にステージに向いている)とあって、どこに座っても良い響きで、たまにステージの後ろにも座るなど、オーケストラの各楽器の響きをいろいろな角度から楽しみました。

 オーケストラとの共演はたしか10代後半から何度か重ねてきましたが、21年、初めて1人でソロリサイタルを演奏しました。2006席の大ホールで弾く責任感に圧倒され、ステージに上がる前、楽屋で怖くて震えあがってしまいました。でも、舞台に上がると、特別なエネルギーに包み込まれ、音楽に没頭できました。

 今回はソロと室内楽のプログラムでこの受賞記念コンサートに挑みました。リハーサルで一音出したとき、音の響きに感激しました。大ホールなのに、どんな繊細な音も輝きのベールに包まれ遠くに飛んでいくような感覚があり、共演者の音も良く聞こえます。この素晴らしい空間で弾けることが幸せで、アットホームな感じでリラックスして弾くことができました。

 日本にはたくさんの素晴らしい音楽ホールがあって感激しますが、私たちアーティストは各ホールの響きの個性のおかげで芸術家として成長できるのだと思います。お客さまに最高の音楽を届けるためにも、このような素晴らしい「箱」は欠かせないということを改めて実感しました。(こすげ・ゆう=ピアニスト)

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