PR

エンタメ エンタメ

【小菅優 音楽と、夢に向かって】音楽は人間に欠かせない

 今月は初めて南アメリカでツアーをしました。アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルと回り、それぞれ個性的で貴重な経験をしました。パラグアイでは、日本の領事の方が、地元の音楽を愛する若者たちにもいい体験をしてもらおうと、町のあらゆる音楽学校に一生懸命働きかけてくださり、公演前日にピアノを習っている少年少女たちのためのワークショップも開かれました。

 ここには先住民の人々、そして数百年にもわたって移住してきたあらゆる国の人々が住んでいます。音楽学校の先生方も、スペイン系、ドイツ系、日系、ウクライナ系と、実にさまざまな言葉と文化が交じっていました。

 ワークショップの前にサプライズで、ある音楽学校に寄りました。クラスに置いてあるピアノを弾いてみると、子供がうれしそうにのぞいてきたり、ギターを弾いている子供たちのクラスがあったり、楽しそうでした。

 その学校の校長は、子供たちが犯罪やドラッグなどに手を出さないためにも、芸術に触れさせ、心を育てることが大事だと言っていました。音楽を心から感じることは、思いやりや互いを尊重し合うことに繋(つな)がると思います。

 ワークショップでも、ベートーベンやショパンを通じて、音の一つ一つにどんな感情がこもっているかなどを率直に伝えようとしました。公演の日の午後は、伝統楽器のアルパ(ハープ)を聴きに行きました。自然を思い起こさせるような美しい響きは、この地に共鳴しているように聞こえ、感動しました。

 そして公演では、周りの様子を見ることなく曲が終わった途端に立ち上がって拍手する子もいて、実に自然体で新鮮でした。アンコールでこの町を象徴するポルカを弾いたときの興奮、そして手拍子のリズム感のいいこと!

 たくさんの文化が入り交じる中、音楽を通じて人々が繋がり、たくさんの人間の個性が調和する瞬間。音楽は人間に欠かせないと改めて実感しました。(こすげ・ゆう=ピアニスト)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ