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人間国宝、梅若実玄祥 リサイタル「至高の華」に臨む

「老桜の精ということもあり、ある程度、年齢を重ねた能楽師が勤める方がいいでしょう」と話す梅若実玄祥=大阪市北区
「老桜の精ということもあり、ある程度、年齢を重ねた能楽師が勤める方がいいでしょう」と話す梅若実玄祥=大阪市北区

 深い解釈に裏打ちされた華麗な舞台で、現代の能楽界を牽引(けんいん)する能楽師のひとり、観世流シテ方の人間国宝、梅若実玄祥(みのるげんしょう)。リサイタル「至高の華」の京都公演が29日午後2時、京都市左京区の京都観世会館で開かれる。演目は自身、「とても好きな曲」という「西行桜(さいぎょうざくら)」。老木のしだれ桜の精となり、幻想的な世界が展開する。(亀岡典子)

 昨秋、重度の十二指腸潰瘍を患ったが奇跡的に回復。リハビリに努め、2月にはフランス公演も行い、同国の芸術に貢献したとして、フランス政府から芸術文化勲章シュバリエを授与された。

 古典から新作能まで幅広く活躍。今回の「至高の華」は、令和になって初のリサイタルとなる。

 「『西行桜』は少し季節はずれかもしれませんが、舞台の上が春であればいいな、と思って選びました」と話す。

 京の西行法師の庵(いおり)。老木のしだれ桜が花を咲かせ、西行(ワキ=福王茂十郎)はことのほか、この桜を愛していた。そこへ、桜の名所を訪ね回る人々がにぎやかに訪れる。ひとり静かに桜を眺めていたい西行だったが、やむをえず招き入れる。やがて桜の木陰にまどろんだ西行の前に白髪の老人が現れる。どうやら、老木の桜の精(シテ=梅若実玄祥)のようだ-。

 人間と同じように魂を持つ草木(そうもく)の精が主人公。「西行と桜の精の『花問答』が、禅問答のようで興趣に富み、一番の見せどころです。ひとりで桜を見ていたい西行と同じように、桜もただ、西行に愛でられるだけで満足だという。人間と草木の『世界の共有』がおもしろいですね」

 これまで10回ほど勤めてきた。亡父、五十五世梅若六郎は本曲について、「地味な曲だが地味になってはいけない。華やかな桜の話だから」と教えたという。

 「舞台全体が墨絵のようになればいいと思っています。そのためには、僕が存在感のある桜にならないといけない。草木の精というのは美しくもあり、恐ろしくもある。そういう存在にならないとこの曲はなりたたないですね」

 円熟の舞台を堪能したい。

 なお、上演前に、華道家元池坊の池坊専好(せんこう)・次期家元が舞台上で花を生ける。ほかに仕舞「弱法師(よろぼし)」(片山九郎右衛門(くろうえもん)、狂言「鳴子遣子(なるこやるこ)」(茂山七五三(しめ)、千五郎、宗彦)。

 キョードーインフォメーション(0570・200・888)。

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