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【小菅優 音楽と、夢に向かって】やりたいことは自分で

 19世紀、クララ・シューマンという今年生誕200年の女性ピアニストがいました。ドイツロマン派を代表する作曲家、ロベルト・シューマンの妻でありながら、当時の女性としては珍しく、ヨーロッパ中で活躍する素晴らしいピアニストだったと伝えられています。

 マネジャーや音楽事務所のようなシステムがなかった当時、彼女は自分で移動や調律師、会場の確保などすべてを手配しなくてはいけなかったそうです。便利な世の中で活動している私は頭が上がりません。

 でも、今の時代だからこそ、アーティストが自分のやりたいことをやるときは、自分で動かなくてはいけないと実感することが多々、あります。自動的にキャリアが築けるシステムなんてないですし、自分の路線からそれないためにも自分自身で“操縦”しないといけないのです。

 昨年始めた4元素「水・火・風・大地」をテーマにしたリサイタルシリーズ「Four Elements」は、同時にレコーディングを自分で手掛けています。それまでレコード会社に手配していただいていたことを一から自分で行うのは新鮮でした。

 まず、この人と録音したいと思うエンジニアの方に仕事を頼み、会場を決め、ピアノは愛用しているベルリンの自宅の楽器を使用することにしました。

 そのため、運送会社に頼んで、ピアノを自分のスタジオから録音スタジオへ移動。今年の2枚目の録音には、信頼する調律師の方に日本からベルリンまで来ていただき、録音前から最終日までずっと立ち会っていただきました。

 信頼しているチームのもとでの演奏は安心ですが、ピアノがちゃんと着くかや、予定日数で録音を終えられるかなど、演奏以外のことも心配でした。でも、一から手掛けたCDが完成した時はこの上なくうれしいのです。こつこつ編んできた襟巻きがやっと完成したような喜びと達成感を感じられるなら、どんなに大変でも苦にならないと思いました。 (こすげ・ゆう=ピアニスト)

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