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モンキー・パンチさん「女性描くのは苦手」で峰不二子誕生

 「その画風をみた清水さんが『加藤一彦という絵じゃねえよな。ペンネームつけてやる、モンキー・パンチだ』って。理由は聞けずじまいでしたが、作者が外国人か日本人か、わからなくしたかったんじゃないでしょうか」

 しばらくたって42年夏、同社で「ルパン三世」の連載が始まる。頭脳明晰(めいせき)で、狙った物は必ず手に入れる大泥棒を主人公にした怪盗アクション漫画。小学生時代に熱中した小説を題材にアレンジした。当時、大人向けの漫画は異色だった。

 「当初は3カ月で終わると思った。編集部からも『今さらルパンか…』と言われ、読者の反響がなければ違う題材に変更される方針だった」と振り返っていた。2年連載し、46年秋にはアニメ放映が開始された。再放送で人気になるとその後、テレビアニメや映画で新作が次々と制作されたほか、宝塚歌劇団でも上演される人気キャラクターに育った。

 「ルパンは弱者から盗まないとか、銭形幸一警部に組織人の悲哀を感じるとか、いろいろ読み解いてもらっているようだけど、ポリシーというような大それたものは持っていないし、教訓的なことを織り込もうなんて思っていない。読んでいる間は、他のことを忘れていかに楽しんでもらえるかだけ考えた」

 信じがたいが、モンキーさんは女性を描くのが苦手だったという。40年に「ムタ永二」名義の「プレイボーイ入門」で本格的にデビューしているが、女性をうまく描けなかったため、月刊誌「PLAYBOY」などに掲載された女性を題材に、描画を繰り返したという。それが正体不明の美女・峰不二子誕生につながったのだ。

 警視庁の銭形警部に追われる場面は、米アニメ「トムとジェリー」に影響を受けた。作品の生みの親(ウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベランナ・バーバラ両氏)にも会いに米国へ出向くなど、好奇心は旺盛だった。

 不二子のお色気シーンもあるなど、漫画では徹底的に大人向けにこだわった。

 「教育上、良い漫画はいっぱいあるが、ボクには向かない。漫画で教育することないよ」

 楽しませることに心血を注いだ漫画家人生だった。(伊藤洋一)

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