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平成回顧 テレビ(上)災害報道 「命を救う」防災へ意識をシフト

 阪神高速の倒壊を空撮するなど、災害の初動取材ではヘリコプターの持つ機動力が大きな意味を持つが、被災者から「報道のヘリがうるさい」との批判も巻き起こった。NHKではこうした声を受け、自衛隊などのヘリコプターによる救助を妨げないよう、望遠カメラでより高い位置から取材することにした。

 3年に起きた長崎県の雲仙・普賢岳の噴火では、NHKのカメラマンが被災、死亡した。この一件をきっかけにNHKは、技術面の進歩を生かして、危険な場所や各放送局にロボットカメラを導入した。現在、700台程度のロボットカメラが運用され、それぞれ72時間(3日)分の映像蓄積が可能だ。700台のほぼ全てを東京でコントロールでき、無人でもソーラーパネルで自律して電気を供給できるものもあるという。技術の進歩が災害報道に貢献している例だ。

 ■「すぐにげて」呼びかけ

 23年の東日本大震災で発生した津波災害で、NHKは津波到達までに「逃げてください」「海岸や河口付近には近づかないで」と21回も呼びかけた。この震災からNHKの災害報道は「報道で命そのものを救えないか」という意識に大きくシフトした。そのひとつが視聴者への呼びかけ方法だ。それ以前は視聴者に不安を持たせないために落ち着いたアナウンスだったが、強く、緊迫感のある口調にし、避難などを呼びかけるように変更された。

 NHKの映像が視聴者に“無用の安心”を与えた面もある。災害心理学で「目の前に危険が迫ってくるまで、その危険を認めようとしない人間の心理傾向」を「正常化の偏見」というが、太平洋側のロボットカメラによる海の映像は、津波が来る前の穏やかな海だったため、「正常化の偏見を後押しした」(橋爪氏)との反省点が浮上した。

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