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松下奈緒、新作映画で音楽再発見

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映画「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」でしっかり者の恋人役を好演した松下奈緒(左) (C)2019「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」製作委員会
映画「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」でしっかり者の恋人役を好演した松下奈緒(左) (C)2019「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」製作委員会

 女優でピアニストの松下奈緒(34)が、音楽活動に再び正面から取り組んでいる。公開中の映画「母を亡くしたとき、僕は遺骨を食べたいと思った。」(大森立嗣(たつし)監督)に関わったことが、音楽の存在の大きさに改めて気づかせてくれたのだという。どういうことか。(文化部 高橋天地)

難しい真里役

 「母を-」は印象強い題名だが、母親思いの息子とがんを煩った母親の姿と2人を見守る周囲の人々の姿とを、淡々と、しかし温かいまなざしで描く映画だ。漫画が原作で、作者の宮川サトシの実際の体験が描かれている。

 母親思いの漫画家、サトシに安田顕。母の明子に倍賞美津子。松下はサトシを支える、しっかり者の恋人、真里を演じている。

 NHK朝の連続ドラマ「まんぷく」で主婦を演じているように、「最近は年相応にお母さん役が多くなった気がする」中で、恋人の役だというので興味を持った。しかし、難しかった。

 真里はサトシの家に頻繁に顔を出し、明子とも仲がいい。明子の体調がすぐれず沈むサトシを励ます。

 だが、「恋人は、身内ではない。自分の意見をはっきり言えば角が立つ。2人にどんなトーンで声をかければよいのか、勝手が分からなかった」と演技には大いに悩んだ、

思い込めて

 演技は自由にと、大森監督からは言われた。真里という役を託されたので、明子には強い態度を示せないが、サトシには「ここぞというときに意見する気迫が必要だ」と考えた。懸命に治療に励む明子に、サトシは「頑張れば治る」という言葉しかかけられない。「他に言い方はないの?」。サトシを叱りつける真里の姿は印象的だ。

 しかし、撮影を続けるうちに「男性にとって母親の存在はとてつもなく大きい。恋人は母親に勝てないのでは」と疑い始め、塾講師のサトシが「俺の母ちゃんの作ったカレーの方がおいしい」と、教え子と張り合う場面を見て確信に変わった。松下の中の真里像はぐらついた。

 最終的に「母親にできないことを見つけて、強さと優しさを持って、サトシのそばにいてあげればいい。そんな気持ちを胸に演技に臨んだ」。

 松下は、「真里ほど思いを込めて演じた登場人物は初めて」と振り返る。

音楽活動への思い

 女優でピアニスト。ピアニストとしてのデビューは平成18年だから、女優デビューより2年遅かったが、積極的に音楽活動を展開した。もっともNHK朝のドラマ「ゲゲゲの女房」(22年)主演以降は、少し、女優としての活動の方が前に出始めていた。

 しかし、この映画では、3人組音楽グループ、BEGINが手がけた主題歌「君の歌はワルツ」に、コーラスとピアノ演奏でも参加した。

 「BEGINさんの歌声はストレートで、シンプルで、でも優しくて…。言葉がすごく心に刺さるすてきな曲です」

 録音作業が楽しかった。映画公開の3日後、25日には、BEGINの公演に飛び入り参加。ピアノ演奏で共演し、会場を盛り上げた。

 「多くの人に私の音楽活動を知ってもらいたい」。自分の中の音楽の存在の大きさに改めて気づいた。

 松下は、今月3日には米アカデミー賞の作品賞を獲得した米映画「グリーンブック」の日本公開記念イベントに参加。ピアニスト、ドン・シャーリー(1927~2013年)の実話を基に、米南部を公演旅行する黒人ピアニストと彼が運転手として雇ったイタリア系白人との交流を描いた映画に、「2人のやりとりもほほえましいし、音楽が心に響く」と声を弾ませて感想を述べた。

 松下は今、4年ぶりの新作アルバム「Synchro(シンクロ)」を携えて、12カ会場を訪れる全国公演に忙しい。

 あらすじ 少し頼りないが母親思いの息子、宮川サトシ(安田顕)は、底抜けに明るい母親、明子(倍賞美津子)と楽しい日々を過ごしていた。だが、ある日、母が進行性のがんを宣告され、穏やかな日常は少しずつ変化していく。

 松下奈緒(まつした・なお) 昭和60年2月8日、兵庫県生まれ。テレビドラマ「仔犬のワルツ」(平成16年)で女優デビュー。NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」(22年)でヒロインを務め、高く評価される。また、3歳からピアノを始め、東京音大在学中の28年にピアニスト、作曲家としてデビュー。

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