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宝塚ファン歴30年の記者も感涙「ベルばら45」

かつて自身の“サヨナラ公演”で演じたオスカルに扮する稔幸(花井智子撮影)
かつて自身の“サヨナラ公演”で演じたオスカルに扮する稔幸(花井智子撮影)
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 ファンなら、はってでも行かねばならぬ舞台「ベルサイユのばら45~45年の軌跡、そして未来へ~」の東京公演にかけつけた。今年はブームを巻き起こした宝塚歌劇団の「ベルばら」初演(昭和49年)から45周年。同舞台は、その記念公演なのだ。「ベルばら」を演じた歴代トップスターたちが“束になって”オスカル、アンドレを演じる大興奮の舞台のようすを、ファン歴30年の記者がリポートする。

毎日通いたい

 ミラーボールが回り、舞台いっぱいに広がる「ベルサイユのばら」の美麗文字の前で小公子と小公女が「ごらんなさい」と歌い出す。「ベルばら」本編の開幕そのままでスタート。観客の心は、18世紀フランスへひとっ飛びだ。

 まず初演(49~51年)キャストが「ソング&トーク」と題し、歌と思い出話を披露。日替わりで元トップたちが出演する。記者の観劇日は、初風諄(はつかぜ・じゅん)、汀夏子(みぎわ・なつこ)、榛名由梨(はるな・ゆり)が、それぞれ劇中歌「青きドナウの岸辺」「ばらベルサイユ」「白ばらの人」を歌った。

 「ベルばら」の様式美を構築したレジェンドたちだ。衣装を身に着けてはいないが、役になりきり、その存在感は圧倒的だ。初代マリー・アントワネット役の初風の朗々としたソプラノは健在。オスカルだった2人も麗しのパンツ姿だ。

 トークは、秘蔵エピソード満載。「原作ファンから『やめて』といわれた」(榛名)、「(初演を演出した時代劇スター)長谷川一夫先生から、『フランスの女王なのですから』と言った後、首と扇を左右に振るよう言われた」(初風)、「相手役のアンドレが、下級生のターコ(麻実(あさみ)れい)で、お姉さんになっているといわれた」(汀)などなど。

 別日程では、安奈淳(あんな・じゅん)や麻実(あさみ)れい、紫苑(しおん)ゆう、一路真輝(いちろ・まき)らも出演しており、仕事がなければ毎日でも通いたい。

復職して!

 続いて、舞台には記者がリアルタイムで見てきた再演版(平成元年以降)キャストが登場。麻路(あさじ)さき、杜(もり)けあき、日向(ひゅうが)薫と、今も変わらぬ姿は感涙ものだ。

 現役時代から圧倒的な歌唱力で知られた杜の「心のひとオスカル」は、アンドレ・グランディエになりきり、傷ついた目を押さえ、男装の麗人オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェを思いながらの熱唱で、30年前の舞台がまざまざと蘇ってきた。

 そしてOG(歌劇団卒業生)らが、現役のタカラジェンヌ同様の衣装とメークで、名場面を再現する待望の「ダイジェスト」コーナー。

 まず、「オスカル&アンドレ編」。荒くれ者の集まる衛兵隊に乗り込んだオスカル(朝海ひかる)が、アンドレ(水夏希)とともに部下から手痛い歓迎を受ける場面からスタート。

 コム(朝海の愛称)ちゃんは巻き毛の金髪も軍服のマントさばきもバッチリと決まっていたし、クールな水アンドレ、緒月遠麻(おづき・とおま)のアランも特筆ものの格好よさ。このまま、宝塚本公演の舞台でいける。

 オスカルがフランス革命で民衆側についてバスティーユ牢獄を襲撃する場面は、稔幸(みのる・こう)オスカル&湖月(こづき)わたるアンドレの組み合わせ。ノル(稔の愛称)さんのサヨナラ公演(平成13年)でのコンビの再現だ。

 オスカルをかばって被弾、撃たれても撃たれても、オスカルへの愛を語り続け、歌い続けるというわたるアンドレの一途さと、アンドレの死と革命への熱意に打ち震え、激しく散ってゆくノルさんオスカル。文字通り死闘を経て昇天する姿に、心を射貫かれた。「宝塚に復職制度を設け、この2人を専科に」と叫びたくなる、現役感に充ち満ちた美しさだった。

これぞ宝塚100年の美

 後半の「ダイジェスト2」では、「フェルゼン&アントワネット編」を上演。和央(わお)ようかフェルゼンと星奈優里(ほしな・ゆり)アントワネットが、大人の悲恋をじっくり見せる。軍服や輪っかのドレス(裾が丸く大きく広がったドレス衣装)の所作の美しさには感服するばかりだ。

 そして、トップスターが勢ぞろいするフィナーレ。壮観のひとことにつきる。「だれを見たらいいの」とオペラグラスを左右に振りながら眼福に酔いしれたが、手を差し出す角度といい、目線といい、全員がピタリと一致。これぞ宝塚が105年間、磨き上げてきた表現法の極致であり、日本演劇界における圧倒的な強みだ。

 初演以来、演出を手がけてきた宝塚歌劇団の植田紳爾(しんじ)(86)が稽古で、「現役の生徒以上のレベルでやる」と宣言。これでOGたちに、スイッチが入ったとは主催の梅田芸術劇場の話。

 宝塚の元トップたちは女優としてミュージカルなどで活躍しているわけだが、やはり男役を演じている時の輝きは別格。「ベルばら」や「エリザベート」など、宝塚の財産となった演目を今後も“レジェンド”たちで上演し、往年のファンを喜ばせてほしいものだ。(文化部 飯塚友子)

 東京国際フォーラムの東京公演は終了。大阪公演は2月16~24日、梅田芸術劇場(大阪市北区)メインホール。数量限定で、オスカルとアンドレのイラストが入ったオリジナルチケットホルダー付きペアチケット「オスカル・アンドレチケット」あり。また大阪公演限定で、終演後に豪華な舞台装置を背景に、記念写真が撮れる「フォトオンステージ付S席」も。問い合わせは同劇場、06・6377・3800

 会場で販売しているプログラムは、過去の「ベルばら」上演記録や舞台写真に加え、今公演の出演者へのインタビュー、演出の植田と原作の漫画家、池田理代子の思いも記され、資料的価値も高い。

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