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中国・天安門事件30年「チャイメリカ」日本初演 英雄捜す男を通じ世界のあり方問う

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演出家の栗山民也(右)は田中圭(左)について、「野性味の中に気品があり、役にぴったりだ」と話す
演出家の栗山民也(右)は田中圭(左)について、「野性味の中に気品があり、役にぴったりだ」と話す

 ■主演・田中圭、演出・栗山民也

 中国・天安門事件から30年。事件当時、1枚の写真を撮影した米ジャーナリストを描く「CHIMERICA チャイメリカ」が2月6日から、世田谷パブリックシアター(東京都世田谷区)で上演される。2014年に英で最も権威のある演劇作品に贈られるローレンス・オリビエ賞で5部門を受賞した社会派作品で日本初演。主演の田中圭は「きっと上演され続ける作品になる。トップバッターで幸せ」といい、演出の栗山民也は「ヒーローを捜す物語を通じ、世界のあり方が見えたら」と話す。(三宅令)

                   

 1989年、中国で起こった天安門事件で撮影された戦車の前に立ちはだかる男の写真はあまりにも有名だ。一方で、被写体の男“タンクマン(戦車男)”は現在でも誰なのか分かっていない。英国の新進女性劇作家、ルーシー・カークウッドは、その写真から着想を得て物語を作りあげた。

 事件のただ中の天安門前で、主人公のジョー(田中)は、戦車の隊列を前に立ちはだかる男を撮影。写真は注目を集め、2010年代になってジョーは戦車男を捜す決意をする。

 ジョーは正義漢のようでいながら旧友の中国人をないがしろにするなど、自己中心的な振る舞いが目立つ。田中は当初の印象を「過去の栄光にしがみつく男。僕は過去に興味がないから、共感できなかった」と語る。

 しかし、共演者らと稽古を重ねるうち、戦車男へのこだわりは虚栄心からではなく、彼自身が切実にヒーローを求めているからだと考え始めた。「一つの場面でも見方はさまざま。周囲との芝居を通して、ジョーを見いだしたい」

 民主化を求める学生らが武力弾圧された天安門事件で、中国当局は死者数を319人と発表したが、実際は数千~1万人以上ともいわれ、謎が多い。

 栗山は「写真がなければ、歴史から消えていた事件かもしれない」と話す。戦車に無言の抵抗を示した男の写真には、「歴史の証言以上のものが納まっている。偶然、1人が撮影されただけで、あの場には10万人がいた」と語る。

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