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狂気に傾くまでを克明に 「銃」主演・村上虹郎

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村上虹郎は「人間の感情の変化が丁寧に描かれている」と語る(高橋天地撮影)
村上虹郎は「人間の感情の変化が丁寧に描かれている」と語る(高橋天地撮影)

 ある日、河原で拾った拳銃の魅力に少しずつ心を奪われ…。芥川賞作家、中村文則(41)の同名の処女小説を映画化した「銃」(武正晴監督)は、主人公の大学生、トオルが心に宿す狂気を呼び起こすまでの様子を克明に描いている。主演の村上虹郎(にじろう)(21)が鬼気迫る演技を見せた。 (高橋天地)

 「トオルの日々の感情の変化を克明に記録した日記に近い。だが作風は純文学の原作とはひと味違う。映像を見れば一目瞭然」。村上は期待を込める。

 物語は原作、映画ともにモノローグ(独白)でつづられるが、「『私』で語る原作よりも、『俺』の映画の方がやや攻撃的な印象を受ける」と村上。特に、映画が大半がモノクロ映像である点に注目。「トオルなりの視点を、世間一般の人々のそれと明確に区別したかったようだ」とみる。同作品は10月の東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門に出品。監督賞を受賞した武監督は、この点について、「トオルの内面世界を描くのに余計な風景はいらない」と明確に説明している。

 トオルの演技プランについて、すべて任されたという村上は「僕は大学に通ったこともないし、イメージがわかない。奇をてらわず、徐々に倫理観が壊れていくトオルの狂気をやや抑えた演技でストレートに表現した」と振り返る。

 拳銃を撃ってみたい衝動を抑えかね、トオルは公園で猫を射殺。次に人を殺したい衝動に駆られ、自宅アパートの隣に住むホステスを標的に選んだ。「日々子供を虐待し続ける女の姿を見て、(養護施設で育った)トオルは自分の親の姿とダブってみえた。ゆがんだ正義感の表れでしょう」と村上。

 東京国際映画祭では、有望な若手俳優に贈られる東京ジェムストーン賞に輝いた。「人は本能的に他人の心の闇や滑稽な部分をのぞきたいもの。それらを観客に見せ、人間を学んでもらうのが、映画の存在意義。多くの作品に出演して人間を学びたいですね」。東京・テアトル新宿、大阪・シネマート心斎橋などで全国公開中。

 【あらすじ】ある雨の夜、大学生のトオル(村上虹郎)は河原で拳銃を拾い、自宅へ持ち帰る。一瞬で人を殺せる-。トオルは高揚感を覚えるとともに、異性への関心を失い、やがて拳銃は恋人同然の存在となった。ある日、刑事(リリー・フランキー)がトオル宅にやってきて…。

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