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【鑑賞眼】平成中村座「十一月大歌舞伎」 勘三郎「登場」の粋な演出

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 平成最後の「平成中村座」が、東京・浅草寺境内に帰ってきた。10月の東京・歌舞伎座に続く、十八代目中村勘三郎七回忌追善。プロデューサーとしても卓越した才能を発揮した勘三郎が、江戸の芝居小屋を現代に蘇(よみがえ)らせようと平成12年11月、東京・隅田公園に初出現させた仮設劇場は、国内のみならずニューヨークなど、海外公演も成功させた。

 追善ならではの一幕が夜の部「弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい)」。舞台上の中村座の前で、勘三郎とよく共演した中村芝翫(しかん)と中村扇雀(せんじゃく)が故人をしのび、勘三郎の息子(勘九郎、七之助)や孫(勘太郎、長三郎)が口上を述べる。勘三郎が“登場”する粋な演出ののち、舞台に投影される「髪結新三(かみゆいしんざ)」など当たり役の映像が懐かしく、衣鉢を継ぐ次代の思いが伝わる。

 昼の部「実盛(さねもり)物語」の勘九郎が充実。実盛は源氏に心を寄せる平家の侍、という難役だが、来年の大河ドラマで五輪選手を演じる影響か、締まった体でキビキビと手ぶり身ぶりを交え、女の腕を斬った過去を再現する「物語」が鮮やかだ。5年ぶりの役だが、5歳の長三郎との共演で慈父の雰囲気も加わり、一回り大きくなった印象。瀬尾役の片岡亀蔵が最後、平馬(へいま)返り(座った姿勢からの後方宙返り)を決めたのも良かった。昼はほかに「近江のお兼」「狐狸狐狸(こりこり)ばなし」、夜は「舞鶴(ぶかく)五條橋」「仮名手本(かなでほん)忠臣蔵 七段目」。26日まで。今月は国内5座で歌舞伎公演がある影響で、都内各座とも演目がやや寂しい。(飯塚友子)

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