PR

エンタメ エンタメ

【鑑賞眼】歌舞伎座「芸術祭十月大歌舞伎」 中村屋兄弟、初役で大奮闘

Messenger

 十八世中村勘三郎七回忌追善興行として、長男・勘九郎、次男・七之助が好配役を得て、昼夜6演目中5作で大奮闘、人気者だった父をしのんだ。

 夜の部。「助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら)」がにぎにぎしく、客席を沸かせた。江戸一番の遊郭、新吉原の三浦屋店頭で起こす侠客(きょうかく)、助六の乱暴三昧。実は助六は曽我五郎の仮の姿で、紛失した源氏の重宝・友切丸(ともきりまる)の行方を尋ね、けんかを売っては相手に刀を抜かせる。その粋でべらんめえなたんかが身上の、歌舞伎十八番の一つ。市川團十郎が家の芸として演じてきた「助六由縁江戸桜(ゆかりのえどざくら)」で名高いが、今回は片岡仁左衛門(にざえもん)が、歌舞伎座では20年ぶりとなる助六役を披露している。外題(げだい)(題名)の後半を「曲輪初花桜」に変えているのは、市川家への忖度(そんたく)だ。

 花道から黒羽二重(くろはぶたえ)の衣装に紫鉢巻、蛇の目傘片手にげたの音(ね)華やかに登場する格好良さ。すきっと爽やか、たんかも歯切れよく、仁左衛門の芸風そのものの雅(みやび)な助六だ。恋人役の傾城(けいせい)・揚巻(あげまき)に七之助。化粧顔の美しさ、たたずまいとも坂東玉三郎の芸をよく引き継いだ。助六の兄、白酒売新兵衛に勘九郎。2人とも初役で頑張った。敵役の髭(ひげ)の意休(いきゅう)役で中村歌六(かろく)、その子分、くわんぺら門兵衛で中村又五郎が硬軟のいい味。玉三郎が助六の母・満江(まんこう)に。

 ほかに昼の部「三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)」「大江山酒呑童子(おおえやましゅてんどうじ)」「佐倉義民伝」。夜に「宮島のだんまり」「吉野山」。25日まで、東京都中央区の歌舞伎座。(劇評家 石井啓夫)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ