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【魂の交流 ジャポニスム2018】(下)「悩み」「友情」海を超え

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【魂の交流 ジャポニスム2018】
(下)「悩み」「友情」海を超え

パリで初めて上演された2・5次元ミュージカルの『刀剣乱舞』 パリで初めて上演された2・5次元ミュージカルの『刀剣乱舞』

 欧州随一の漫画消費国とされるフランスの熱が、こうしたキャラクターの幅広い活躍を支える。

 パリの文教地区カルチェ・ラタンにある漫画店「アルバム・コミックス」。店内には「Manga」と記された棚があり、人気漫画『ドラゴンボール』『ワンピース』などの仏語訳版が並ぶ。そのそばに、これらの作品とタッチが似た仏漫画もある。

 「フランスで長く人気のある(ベルギー作家の)漫画『タンタンの冒険』などは物語に『孤独』の要素が強い。でも、主に1980年代以降に生まれた若いフランスの漫画家は『仲間』や『友情』をよく描く」と話すのは、パリで美術展のキュレーション(企画展示)やイベント企画を手がける佐藤ジュリアンさん(36)。フランス人の父と日本人の母を持ち、日本漫画に親しんできた佐藤さんはそこに、『ドラゴンボール』も生んだ少年漫画誌『週刊少年ジャンプ』が打ち出した、主要3テーマ「友情・努力・勝利」の影響をみる。NHKのEテレで10月にアニメ化される、見習魔法使いの少年の物語『ラディアン』(トニー・ヴァレント作)、「夢の国」への仲間たちとの冒険譚(たん)『Dreamland(ドリームランド)』(レノ・ルメール作)などは象徴的だという。

 「フランス人は個人主義だといわれるけれど、心の奥では共に歩んでくれる仲間を求めている。それはとても人間的なこと。だから読むと心に響く」と佐藤さん。今やフェイスブックなどのソーシャルメディアでつながる「仲間」の力によって、一人では解決困難だった問題の突破口が見つかるのも珍しくない。今日的であると同時に普遍的な「友情」へのまなざしが共振し、豊かな文化が生まれつつある。(海老沢類)

                   

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