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【シネマプレビュー】志乃ちゃんは自分の名前が言えない

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【シネマプレビュー】
志乃ちゃんは自分の名前が言えない

映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の1場面(C)押見修造/太田出版 (C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会 映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の1場面(C)押見修造/太田出版 (C)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会

 人気漫画家、押見修造が自らの吃音(きつおん)体験を基に描いた漫画を原作に、これが長編商業映画デビューとなる湯浅弘章監督(39)がみずみずしくも骨太な青春物語に織り上げた。しゃべろうとすると言葉に詰まってしまう志乃(南沙良(さら))は、高校最初の自己紹介で名前が言えず、クラスの笑いものになる。自分の殻に閉じ籠もる志乃だったが、やはり孤立していた加代(蒔田彩珠(あじゅ))と仲良くなり、2人で音楽を始める。だが文化祭に向けて練習をしている姿を、クラスのお調子者の菊地(萩原利久(りく))に見つかってしまい…。

 撮影時はともに14歳だった南と蒔田の豊かな表情が素晴らしい。中でも橋の上で歌とギターに励む場面では、2人の生き生きとした笑顔にまばゆいばかりの日の光がちらちらと差し込み、若いということの無限の可能性を感じさせると同時に、もろく崩れやすい思春期の心情も表現する。乃木坂46のミュージックビデオなどを手がける湯浅監督が挑んだむき出しの青春像に見ほれた。14日、東京・新宿武蔵野館など全国で順次公開。1時間50分。(藤)

 ★★★★(★5傑作 ★4見応え十分 ★3楽しめる ★2惜しい ★1がっかり)

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