産経ニュース

イスラム圏で「バレエ」は不道徳? イラクの“舞姫”たちがいま置かれた状況は…

エンタメ エンタメ

記事詳細

更新


イスラム圏で「バレエ」は不道徳? イラクの“舞姫”たちがいま置かれた状況は…

毎年開催されているセレモニーでバレエを踊るバグダッド音楽バレエ学校の生徒たち=2018年4月4日、イラク(AP) 毎年開催されているセレモニーでバレエを踊るバグダッド音楽バレエ学校の生徒たち=2018年4月4日、イラク(AP)

 2003年に米国率いる連合国暫定当局が占領統治を開始し、一時的に改善されたが、06年にシーア派とスンニ派との宗派対立が激化すると、また状況が悪化。楽器や衣装、バレエシューズといった消耗品などに年間4万5千ドル(約500万円)必要だというが、政府から支給される予算では足りず、外国の大使館や個人からの寄付などに頼っているのが現状という。

バレエの代表的ポーズ、アラベスクの起源はアラブだった?!

 イスラム圏でバレエはあまりなじみがないようにみえるが、トルコにはアンカラ国立オペラ・バレエ団、エジプトにはカイロ国立オペラ・バレエ団という立派なバレエ団がある。

 それから片脚で立って、もう片方の脚を後ろに上げ、腕を前後に伸ばす、あの代表的なポーズはバレエ用語でアラベスク(アラビア風)と呼ばれる。なぜアラベスクと呼ばれるようになったのか?

 「世界のバレエを見てまわる」(新書館)などの著書で知られる舞踊評論家でもある佐々木涼子・東京女子大学名誉教授に聞いたところ、「いまだに明解な語源、したがって意味を記したものを見たことがない。私見では、数人が並んで片腕、片脚を前後に伸ばすとアラベスク、日本で言う唐草模様のようになるから、ではないか思っている。もちろんアラベスクは一人でもやるのだが…」との回答が返ってきた。

 さらに佐々木氏は「昔のバレエは基本的に腹部をさらけ出さない。それが品位というかエレガンスなのだが、アラベスクは珍しく胸とおなかを思い切り延ばす。なので、18世紀的には放恣(ほうし)で異教的だったのかもしれない」と話した。

 バレエの歴史において、18世紀といえば、フランスやロシアに舞踊学校が創立され、プロのバレエダンサーが養成されるようなった時代だ。

 ちなみにバレエの有名な演目「海賊」の舞台はトルコだし、バレエ通にしかあまりなじみがない演目だが「ライモンダ」にはサラセン(イスラム教徒)の騎士が登場する。西欧で誕生したバレエとイスラム世界は意外とつながっている。(外信部次長 水沼啓子)

このニュースの写真

  • イスラム圏で「バレエ」は不道徳? イラクの“舞姫”たちがいま置かれた状況は…
  • イスラム圏で「バレエ」は不道徳? イラクの“舞姫”たちがいま置かれた状況は…
  • イスラム圏で「バレエ」は不道徳? イラクの“舞姫”たちがいま置かれた状況は…

「エンタメ」のランキング