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【鑑賞眼】シス・カンパニー「お蘭、登場」 麗しの悪女…「きっとまた」

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神出鬼没の謎の女、お蘭(小泉今日子)を追う、名探偵の空地小五郎(堤真一、上段左)と目黒警部(高橋克美、上段右)(宮川舞子撮影)
神出鬼没の謎の女、お蘭(小泉今日子)を追う、名探偵の空地小五郎(堤真一、上段左)と目黒警部(高橋克美、上段右)(宮川舞子撮影)

 お蘭(小泉今日子)はとても魅力的な悪女である。さまざまな犯罪に首を突っ込み、婦警に、科捜研の女に、人妻に化け、彼女を追う名探偵の空地小五郎(あきち・こごろう)(堤真一)や、目黒警部(高橋克美)を煙(けむ)に巻く。

 劇作家、北村想とシス・カンパニーが名作文学を基に新たに創造するシリーズ「日本文学シアター」第5弾、演出は前4作と同じ寺十吾(じつなし・さとる)。江戸川乱歩の小説に登場する魔性の女、江川蘭子や女怪盗の黒蜥蜴(くろとかげ)を彷彿(ほうふつ)とさせる「お蘭」に、名探偵の明智小五郎の後継「空地小五郎」、仏推理小説に登場するメグレ警部をもじった「目黒警部」の3人による洗練された娯楽だ。

 お蘭には「冤罪(えんざい)で死んだ兄弟の敵討ち」という目的があるらしく、空地らを付け狙う。もっともらしく犯罪統計資料の解説があり、日本の冤罪率の高さをにおわせ、舞台は社会派ストーリーを装うが、乱歩が紡いだ大衆小説と同じで、それらは物語を盛り上げるための要素に過ぎない。観客は神出鬼没のお蘭と、2人の男の軽妙な掛け合いを楽しみ、幕が下りた後、何も事件が解決していないことに気付くのだ。

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