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【追悼】桂歌丸さん 円朝を後世に残すために

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【追悼】
桂歌丸さん 円朝を後世に残すために

三遊亭円朝「怪談乳房榎」を口演する桂歌丸さん=平成27年8月11日、東京都千代田区の国立演芸場 (今井正人撮影) 三遊亭円朝「怪談乳房榎」を口演する桂歌丸さん=平成27年8月11日、東京都千代田区の国立演芸場 (今井正人撮影)

 「塩原多助一代記の『青の別れ』、どういうふうに演(や)るか、考えているところなんですよ」。ある会合の席で、桂歌丸さんが楽しそうに話したのは、まだ体調悪化が深刻さを増す前だから、今から4年ほど前のことだろうか。

 「塩原多助一代記」は、幕末から明治時代にかけて活躍した落語家、三遊亭円朝が演じた長編人情噺(ばなし)。歌丸さんは、ほかにも「怪談牡丹灯籠(ぼたんどうろう)」「真景累ケ淵(しんけいかさねがふち)」「怪談乳房榎(ちぶさえのき)」など多くの円朝作品を口演している。

 歌丸さんが所属した落語芸術協会によると、歌丸さんは、危篤状態に陥る前の4月下旬、東京都千代田区の国立演芸場で8月に予定されていた公演で「怪談牡丹灯籠」を演じたいと意欲を見せていた。人間の業を描く「円朝もの」は、亡くなる直前まで歌丸さんを引きつけてやまなかった。

 歌丸さんは円朝の当時の高座を記録した本を読み、台本を書いて時代設定を考え、過去の落語家による口演の録音や映像も参考にしながら自分なりの演出を工夫し、古典落語に新しい命を吹き込んだ。

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