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“是枝マジック”に改めて脱帽 松崎Pが語る「万引き家族」の秘話

“凱旋”会見となったフジテレビの松崎薫プロデューサー=東京・台場のフジテレビ
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 カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した是枝裕和監督作品「万引き家族」。8日から全国公開されるが、プロデューサーの一人であるフジテレビ映画事業局の松崎薫プロデューサー(P)がこのほど取材に応じた。

 「一言でいうと才能。最初の脚本から編集終わりまでの変化がすごくある。それはドキュメンタリー作家としてやってこられたなかで、すくい取って本を作っていくということもあるのでしょうが、流れというか、撮り終わったあとの編集作業も見事で、私たちの間では“是枝マジック”と呼んでいる。今回もたくさん撮ったあとの編集の緻密さ。ご自分のなかできちんと咀嚼して、余計なものは切り捨てていくプロセスが見事。潔さもある。脱帽です」

 「そして父になる」「海街diary」「海よりもまだ深く」「三度目の殺人」に続く是枝監督作品のプロデュース。監督への深い信頼のもと、改めてその才能に触れる。

 家族をテーマに描き続けてきた是枝監督だが、今回は「家族を媒介して社会を見る理想的な作品になった」と松崎P。構想10年。監督自身のイメージが最初からしっかりあったという。

 受賞はさらに「女性審査員が多かったのも幸いした。素直に作品を見てくださった」と謙虚に語る。審査員長を務めたのはハリウッド女優、ケイト・ブランシェット。「(クエンティン)タランティーノ監督(2004年審査員長)ならこうはいかなかったでしょう」と笑った。

 犯罪でしかつながれなかった家族。日々万引きを重ねる父をリリー・フランキー、その妻を安藤サクラ、彼女の妹を松岡茉優、祖母を樹木希林。ほかにも池松壮亮、高良健吾、池脇千鶴、柄本明、緒形直人ら。世代ごとに代表する実力派俳優たちが集結した。

 子役の城桧吏(かいり)、佐々木みゆの演技にも注目は集まっている。「監督は目力、色気という言葉をよく使うが、城君は佇まいに強いオーラがある。みゆちゃんは監督の選択。それは正しかった」と振り返り、「休憩中は2人でずっとじゃれあっていた。今の子ってもっとませていると思うけど、2人は幼さが残ったピュアな子」と話す。

 上映館は「当初150から始まり、出品で200になり、受賞で最終的に325館。経験がない露出。ドキドキしている」とうれしい悲鳴とともに作り手冥利を味わっている。

 松崎Pは大学卒業後、ソニーに入社。2000年にフジ編成局に出向し、04年に転籍。映画事業局で当初の洋画から邦画の製作にも携わるようになった。

 これまでに「山のあなた~徳市の恋~」「剱岳 点の記」「ノルウェイの森」「テルマエ・ロマエ」などを世に送り出した。映画との出会いは大学生のとき。名画座といわれた3本立ての劇場で「博士の異常な愛情」「ブリキの太鼓」などの作品に夢中になった。

 「よかったではなくて、衝撃を受けた作品。ソニーではフランス映画社配給の『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『ディーバ』などに携わり、そこで映画に目覚めた。個人的にミニシアター系、カンヌに出品するような作品が好きだった」と話す。

 是枝監督とは、彼がドキュメンタリー作家として番組「NONFIX」(フジ)で活躍していた1990年代から顔見知りではあったが、2011年の監督作品「奇跡」の頃、声をかけたという。

 「監督とフジとの歴史みたいなものもあるので、ご一緒できたらいいなと思っていた」

 当時の記憶をたどりながら、是枝監督との5作品目での大きな受賞に表情も和らぐ。

 「感動とあまり言ってほしくない。そっと見たい人に提供したい作品」

 是枝監督のそんな言葉を受け、宣伝の仕方を考えるのも松崎Pの仕事。「『海よりも』よりはあまり宣伝費が使えないかなと思っていたけど、受賞したのでもう少しいけるかな」と笑顔を見せる。

 今後は…。「『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(7月27日公開)をやるし、『踊る大捜査線』シリーズのようなオリジナルで大きく当てるものもやりたい。商業性のものと、作家性のものも赤字にならないように両方やっていきたい」と抱負を口にした。

 是枝監督は、次回がフランスで撮影するカトリーヌ・ドヌーブ主演作と報じられているが、「パルムドールを受賞したからではなく、もともと決まっていた話。私たちは製作には入っていないが、日本での公開時はお手伝いするかもしれません」。そして自身との次回作は「監督もお忙しいので緩やかに考えていきたい」と松崎Pは話していた。

(産経デジタル)

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