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【高畑勲監督のお別れの会】宮崎駿監督のあいさつ全文(下完)「パクさんのことを忘れない」

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僕はたたきのめされた

 勢いよく突入したが、長編10作の制作は難航した。新しい方向に(進むには)不器用だった。仕事は遅れに遅れ、会社全体を巻き込む大事件になっていった。

 パクさんの粘りは超人的だった。会社の偉い人に泣きつかれ、脅されながらも、大塚さんもよく踏ん張っていた。

 僕は夏のエアコンの止まった休日に一人出て、大きな紙を相手に背景原図を書いたりした。会社と組合との協定で休日出勤は許されていなくても構っていられなかった。タイムカードを押さなければいい。僕はこの作品で仕事を覚えたんだ。

 初号(完成作品の最初の試写)を見終えたとき、僕は動けなかった。感動ではなく、たたきのめされていた。会社の圧力で迷いの森のシーンは削れ削らないの騒ぎになっているのを知っていた。

 パクさんは粘り強く会社側と交渉して、ついにカット数から、カットごとの作画枚数まで約束し、必要製作日数まで約束せざるを得なくなっていた。当然のごとく約束ははみ出し、その度にパクさんは始末書を書いた。いったいパクさんは何枚の始末書を書いたんだろう。

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