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【鑑賞眼】今こそ次の舞台へ飛躍を 新国立劇場バレエ団 「ニューイヤー・バレエ」

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 バレエ団創立と劇場開場20周年を、華やかな4作品が祝った。幕開け「パ・ド・カトル」は、19世紀ロマン主義バレエの名プリマらにささげられた作品。本島美和、寺田亜沙子、細田千晶、木村優里がけんを競い、まろやかな腕や肩の動き、品の良い足さばきで、過ぎた時代の香りを立ち上げた。

 続いて20世紀中盤のネオクラシック作品が、バレエ団プリンシパル(最高位ダンサー)の実力を見せつける。格調高い「グラン・パ・クラシック」では、小野絢子、福岡雄大がバランスや跳躍の難技をやすやすと行い、ひときわ素晴らしい。軽やかな「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」では、米沢唯と奥村康祐が音楽に技術を溶け込ませ、清新なダンスを披露した。

 掉尾(とうび)を飾る「シンフォニー・イン・C」は巨匠、バランシンならではの音楽を視覚化した振り付け。ビゼーの交響曲の各楽章で、個性が輝く4組の中心ペアと群舞が幾何学的なフォーメーションを優雅に描き、最後はバレエ団全員で堂々と締めくくった。

 20年間で、技術と演劇的表現力を併せ持つダンサーが増え、レパートリーも広がり、日本唯一の国立バレエ団にふさわしい高水準の舞台が続く。近年は伝統的な女性観、男性観に基づいた古典の上演が多いが、バレエは日々進化し、世界では社会の多様性を反映した新作が次々生まれている。整った環境で技術、感性の優れたダンサーが育った今こそ、固定化したバレエ観を裏切り、観客の感性を育てる試みにも期待している。

 8日、東京・初台の新国立劇場。(舞踊評論家 岡見さえ)

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