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中村一義 ベストアルバム「最高築」 20年、もう一枚の金字塔
今年デビュー20周年を迎えたミュージシャン、中村一義(42)が、セルフカバーによるベストアルバム「最高築」を発売。デビュー盤「金字塔」と並ぶ「もう一枚の金字塔ができた」という自信作だ。
「ずっとライブをやっていると、元の音源からアレンジが変わってくる。テンポが速くなったり、ピアノがメインだったものがギターがメインになったり」
中村によると、現在、ライブなどで演奏している曲のアレンジは「(サポートバンドの)演奏者全員の集積」だ。それをスタジオでレコーディングすることにより「新しいものになるのでは」との思いから、かつての曲の“再構築”を開始した。
バンドマスターでギタリストの町田昌弘(41)が共同プロデューサーを務め、収録曲は町田と「居酒屋あたりで相談しながら選んだ」。そのうえで、スタッフからの要望を組み込みながら候補を絞り込んでいったという。
ライブ感を出すため、バンドのメンバー11人全員を集めた同時収録で「スケジュール調整が大変だった」と明かす。メンバーの一人が下咽頭がんにかかり、レコーディングへの参加が危ぶまれる危機もあった。だが、「現メンバーで作りたかった作品」だったため、回復を待って収録。熱のこもったレコーディングで、「20年間、積み重ねられたものを感じた」。
セルフカバーアルバムを引っさげてのライブでも「いろんなアイデアがある。許される範囲でどんどんやっていきたい」と意気込んでいる。(兼松康)