産経ニュース

【きょうの人】日本人初の第1ソリスト 震災も不遇もプラスに 橋本清香(はしもと・きよか)さん(31)

エンタメ エンタメ

記事詳細

更新

【きょうの人】
日本人初の第1ソリスト 震災も不遇もプラスに 橋本清香(はしもと・きよか)さん(31)

バレエダンサーの橋本清香 =9日東京都渋谷区 (大西正純撮影) バレエダンサーの橋本清香 =9日東京都渋谷区 (大西正純撮影)

 欧州の名門、ウィーン国立バレエ団の最高位である第1ソリストに3月末、日本人として初就任した。

 「『海賊』主演直後の舞台上で芸術監督から昇格を告げられた。共演者のみんなが祝福してくれました」

 主演決定は本番のわずか2週間前。新たな振り付け作品で、主役と準主役の2役を踊ることになり、「ぎりぎりの状態」を乗り越えた舞台成果が認められた。家事などでサポートしてくれた夫でソリスト、木本全(まさ)優(ゆう)さん(28)と抱き合い、泣いて喜び合った。

 神戸市東灘区出身。バレエの道に本格的に入るきっかけは、小学3年生のときに起きた阪神大震災だった。平成7年1月17日、自宅は全壊。たんすの下敷きになったが、「扉が開き、その中に母と潜る形で奇跡的に助かった」。習い事を複数していたが、6歳から続けていたバレエの教室だけ無事で、祖父母宅に身を寄せながらバレエに専念。コンクールで実績を残せるようになった。

 高校1年で仏留学を果たし、2004年に独ドレスデン国立歌劇場バレエ団に入団。欧州でキャリアを積むはずが、入団3年目に芸術監督が交代すると、出番に恵まれなくなる。新天地を求め、08年、木本さんとウィーン国立バレエ団に移籍。実力を認められ、トップにまで上り詰めた。だが、「肩書に負けぬよう、もっと成長し続けたい」と貪(どん)欲(よく)だ。

 熊本地震の報道に心を痛める。「被災された方は、どんなに不安な日々を送っていることか。一日も早く元の生活に戻れるよう祈っています」。震災も不遇も喝(かっ)采(さい)に転化させた舞姫の願いだ。(飯塚友子)

「エンタメ」のランキング