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【蜷川幸雄さん死去】「稽古場で灰皿を投げる演出家」演劇の鬼 日本的美意識 世界が熱狂

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【蜷川幸雄さん死去】
「稽古場で灰皿を投げる演出家」演劇の鬼 日本的美意識 世界が熱狂

蜷川幸雄さん=埼玉県さいたま市の彩の国さいたま芸術劇場(撮影日:2014年04月10日) 蜷川幸雄さん=埼玉県さいたま市の彩の国さいたま芸術劇場(撮影日:2014年04月10日)

 12日、肺炎による多臓器不全で死去した演出家の蜷川幸雄さんは、「NINAGAWAマクベス」など演出家名を冠した演目名がブランドとして確立した唯一の演出家だった。それは、西洋文化の象徴であるギリシャ悲劇やシェークスピアの戯曲と生涯をかけて格闘し、日本的美意識を取り入れた独自の視点で提示する舞台が、世界的に評価された証左でもあった。

 「NINAGAWAマクベス」では、設定を日本の安土桃山時代に置き換え、巨大な仏壇を舞台に据えた。西洋の古典には一見、ふさわしくない下町の長屋や、新潟・佐渡の能舞台を現出させ、歌舞伎の演出手法も駆使。西洋文化を、日本の切り口で新たに切り開く「NINAGAWA」の世界を、国内外に示し続けた。

 アングラ演劇から出発したが、昭和49年の「ロミオとジュリエット」の成功から、活動の軸を商業演劇に移し、1980年代には海外にも進出。初の海外公演となった83年の「王女メディア」をローマやアテネの観客は熱狂的に受け入れた。さらに87年、ロンドンのナショナル・シアターで「NINAGAWAマクベス」を上演した際は、「マクベスは日本人となった」と、本場の観客までもうならせ、後に名誉大英勲章第3位も受けた。

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