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【話の肖像画】歌手・加藤登紀子(3)獄中結婚でセンセーション

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【話の肖像画】
歌手・加藤登紀子(3)獄中結婚でセンセーション

藤本敏夫氏と長崎県平戸で=昭和44年(事務所提供) 藤本敏夫氏と長崎県平戸で=昭和44年(事務所提供)

 〈6年かかって何とか卒業単位を取った昭和43(1968)年。東大卒業式ボイコット闘争が行われていたとき、「振り袖で来てほしい」という女性週刊誌の要請を振り切ってジーパンで会場に。そして「運命の人」と出会う〉

 ジーパン姿の週刊誌の記事を見た友人が相談があるという。行ってみると、一緒に藤本(学生運動のリーダーだった敏夫氏)がいたのです。彼は私に「学生の集まりで歌ってほしい」と言いました。だけど私は「歌と政治をからめたくない」って断ったのです。薄っぺらなプロパガンダにされるのはイヤだったし、思いを託せるほどの歌も当時の私にはなかった。

 結局、その日はみんなで朝まで飲み明かしました。始発電車で帰るとき、彼だけは振り向きもせず、サヨナラも言わずに去ってゆく。その後ろ姿が妙に心に残りました。後になって彼の振る舞いは、私が大好きだった高倉健さんをまねしていた、と分かるのですが(苦笑)。

 〈やがて2人は恋人に。だが、学生運動のリーダーとしてさまざまな闘争事件に関与した藤本氏は入出獄を繰り返す。そして47年春、約3年の実刑判決を受けて収監されたとき、登紀子さんの妊娠が判明。東大出の歌手と学生運動のリーダーとの「獄中結婚」はセンセーションを巻き起こす〉(聞き手 喜多由浩)

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