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【話の肖像画】音楽プロデューサー・向谷実(3) カシオペア結成、インストの先駆けに

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【話の肖像画】
音楽プロデューサー・向谷実(3) カシオペア結成、インストの先駆けに

カシオペアではキーボードを担当した(右端が本人)=昭和55年ごろ(音楽館提供) カシオペアではキーボードを担当した(右端が本人)=昭和55年ごろ(音楽館提供)

 〈カシオペアはデビューした年に出したシングル「アイ・ラブ・ニューヨーク」が、日本航空のCM曲に採用され、全国的に知名度を高めた〉

 そのころはまだ、参考になるようなバンドも少なかった。だから、自分たちの音楽観を追求し、オリジナリティーの強い曲をたくさん作り、多くの人に聴いてほしいと思っていました。曲を聴いてすぐに風景や世界がイメージできる音楽。それができればカシオペアの持つ世界を伝えられると確信していました。だいたい毎年1、2枚のアルバムを製作しては、ツアーに出るという繰り返しでしたので、鉄道の在来線を使った移動も多かったですね。ただ、私にとってはツアー合間の移動日に、マネジャーからもらった切符を駅の窓口で勝手に変更して、夜行列車に乗ったり、ローカル線に寄り道したり、と趣味の鉄道の旅を楽しめるので、決して苦ではなかったですね。学生や会社員ではなかなか行けないような、地方のローカル線に乗車したのも良い思い出です。

 〈まさに鉄道と音楽が、生活の一部になっていた〉

 通常はライブの終演後、打ち上げがありますよね。でも、つきあいが悪いと思われない程度に打ち上げをキャンセルして、次のライブの会場まで一人、夜行列車で移動するのが何よりの楽しみでした。食べ物や飲み物を持ち込んで、車窓からの夜景を眺めながら一杯やるのは至福のひとときです。他のメンバーも「(鉄道は)彼の趣味だから」と、見逃してくれたようです。(聞き手 松村信仁)

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