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宮本亜門「三島由紀夫に試されている気が…」 最後の戯曲「ライ王のテラス」3月4日から上演

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宮本亜門「三島由紀夫に試されている気が…」 最後の戯曲「ライ王のテラス」3月4日から上演

「ライ王のテラス」の上演を熱望していたという宮本亜門 「ライ王のテラス」の上演を熱望していたという宮本亜門

 作家、三島由紀夫(1925~70年)の最後の戯曲「ライ王のテラス」が3月4日から東京・赤坂のACTシアターで上演される。

 12世紀末のカンボジア、アンコール王朝最盛期の王、ジャヤ・バルマン7世をモチーフに、信仰の象徴であるバイヨン寺院の建設を進めながら、王国の衰退と病魔に苦悩する姿を重ね合わせた作品。昭和49年に北大路欣也主演で上演されて以来、メジャーな劇場では半世紀近く演じられてこなかった。

 演出の宮本亜門(58)は長い間、上演を熱望していた。「自らのビジョンや国民のために、と考え過ぎた王の精神が、肉体より弱くなってしまった。そこに自決前の三島の自問自答が見える」

 戯曲が発表されたのは44年。70年安保直前、三島は日本の在り方に苦悩しており、精神を克服する強い肉体を希求。絶対にあるべき姿に固執した「絶対病」を持ってしまった男の苦しみを描いたのでないか、という。

 三島の内面が色濃く投影され、彼の死後、ほとんど上演されてこなかったため、宮本はぜひ見たかったという。主役のジャヤ・バルマン7世に鈴木亮平、その母に鳳蘭、暗殺を企てる宰相に神保悟志ら実力者をそれぞれ起用した。

 「三島の葛藤が表現されており、俳優に魂と肉体、理解力と表現力など、求める資質は大きい。もちろん、演出家にも。三島から『お前にできるか』と試されている気がする。対峙(たいじ)しがいがある」と意気込む。

 17日まで。問い合わせはホリプロチケットセンター(電)03・3490・4949。(慶田久幸)

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