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【話の肖像画】漫画家・蛭子能収(5)妻がいるから「ひとり」が楽しい

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【話の肖像画】
漫画家・蛭子能収(5)妻がいるから「ひとり」が楽しい

長男(左から2人目)と孫とともに 長男(左から2人目)と孫とともに

 〈平成13年、前妻の貴美子さんが亡くなる。肺高血圧症で51歳だった〉

 東京・平和島の競艇場にいたとき、娘から携帯電話に「ママが倒れた!」と連絡がありました。妻はその2年前から体調が思わしくなく、入退院を繰り返していました。病院に駆けつけると妻は集中治療室に入っていて、すでに昏睡(こんすい)状態。一度心臓が止まったのを、救急車の中で救急隊員が蘇生させてくれたそうです。担当の医師から「助かっても植物状態になるかもしれません」と言われ、涙があふれて止まりませんでした。倒れて2日目、妻は意識を取り戻すことなく亡くなりました。

 30年連れ添った妻の死は、まるで自分の中の一部がもぎ取られるようなとてつもない喪失感でした。葬式で喪主席に座った僕は、式の最初から最後まで泣き通し。しばらくはずっと泣いて過ごしました。テレビや漫画の仕事は穴をあけないように頑張ってやっていたのですが、妻のことを考えると涙が出てしまうのです。

 1人が好きな僕は、それまで1人でも孤独というものを感じたことがなかった。でも、妻の死で、初めてとてつもない孤独感を覚えました。子供は2人いますが、子供たちと一緒にいても寂しさはなくなりません。妻が僕にとって大事な存在で、どれだけ精神的に依存していたかを思い知りました。

 〈週刊誌の企画で出会った女性と19年に再婚。19歳下で、“年の差婚”と話題になった〉

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