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【花形出番です】歌舞伎俳優・坂東巳之助さん(1)自ら結んだ「18歳の師弟契約」

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【花形出番です】
歌舞伎俳優・坂東巳之助さん(1)自ら結んだ「18歳の師弟契約」

歌舞伎俳優・坂東巳之助さん(26)(寺河内美奈撮影)

 歌舞伎座(東京都中央区)で平成7年11月、6歳で初舞台を踏みました。「蘭平物狂(らんぺいものぐるい)」の繁蔵(しげぞう)役では、小道具の縄をうまく扱うことができず、父(十代目坂東三津五郎)から怒られたことを覚えています。

 父は幼い頃から歌舞伎が大好きでしたから、息子も自分と同じ、と信じて疑わなかった。稽古場でも常に厳しく指導を受けました。

 高校入学後、模索の時期が続きます。役者の家に生まれ、他にやりたいことがあったわけではなかったのですが、自分で「この道を選んだ」と思わなければ続ける自信がなかった。両親の離婚もあり、舞台以外のしがらみが気持ちの邪魔をした部分もありました。

 26歳になった今、当時の気持ちを振り返ると、息子が歌舞伎から離れることを理解できない父の口から「歌舞伎をやらなくてもいい」と言ってほしかったのだ、と思います。話し合いや衝突を繰り返し、ようやく父に「やらなくてもいい」と言わせた。

 歌舞伎から離れた時期はアルバイトやバンドをしていました。よくこの時期のことを誤解されるのですが、僕は歌舞伎が嫌いになったことは一度もありません。

 心の整理がつき、父に「歌舞伎をやりたい」と申し入れたのは半年後。「本当にいいのか」と聞かれ、「はい」と答え、“師弟契約”を交わした。僕が生まれたときからこの契約を結んでいると思っていた父と、まだ成立してないと思う僕との闘いでした。だから、僕の役者人生は18歳から始まったと思います。(談)

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