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【父の教え】歌手・天童よしみさん 教えられた歌の「愛」

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【父の教え】
歌手・天童よしみさん 教えられた歌の「愛」

20歳ごろの天童よしみさん(右)と父、吉田義行さん=大阪府八尾市の自宅前(天童よしみさん提供)

 「歌を教えてくれたのは父。演歌は、父と一つになった思い出なんです」

 演歌歌手の天童よしみさんは和歌山県田辺市で生まれた。父、吉田義行さんの仕事の都合で幼稚園児のころ大阪に移り住み、大阪府八尾市で育った。

 義行さんは中学校卒業後、地元のバス会社に就職。運転していた路線バスの乗客だった母、筆子さんと知り合い結婚、よしみさんが生まれた。歌やサックス演奏が趣味で、バンド活動をしている友人らを自宅に招いては、夜が更けるまで酒を交わしながら歌っていたという。その影響もあってか、よしみさんも幼い頃から歌好き。吉田家では夕食後の“父子の歌教室”がいつしか日課になっていた。

 課題曲は、義行さんがその日に買ってきたレコード。2人で歌詞を朗読し、何度も聞く。「この歌ええやろ?」「ここのこぶしがいいね!」。言葉の意味や行間へ想像をふくらませる。荒波を越える漁師や、ツルハシを握った男性が描かれたジャケットの演歌…。義行さんが好むのは、生活感あふれる歌が多かった。「まだ小学生の私に、『歌を愛せよ。自分のものにせえ』と言うんです。愛とかまだよく分からんけど、一生懸命聞いて練習しました」

 よしみさんがデビューして上京する際には、「戻ってくるな」と厳しい言葉で見送った義行さんだったが、毎日のように電話で励ましてくれた。1年ほどしたある日、「かっこいい車買ったから見せたろ思て」と、突然東京のスタジオに現れ驚かせた。それからは愛車の「サニークーペ」を駆って毎週末、会いに来た。「どんなに家計が苦しくても明るくふるまって、苦労を感じさせない人だった」

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