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【花形出番です】清元三味線方・清元昂洋さん(31)(3)

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【花形出番です】
清元三味線方・清元昂洋さん(31)(3)

清元三味線方・清元昂洋さん(三尾郁恵撮影)

 ■「歴史的公演」支えに病と対峙

 人生最大の試練となったのが6年前、粘液性脂肪肉腫という10万人に1人の珍しい悪性腫瘍(しゅよう)(がんの一種)になったことです。

 おなかが出てきて、そのうちに骨盤まで見えなくなってきた。これはおかしいと思い、京都南座の顔見世興行に出ていた時期、精密検査を受けたんです。

 先生は、僕には結果をはっきりおっしゃらなかったけれど、京都に集められた家族には「余命3カ月」という話があった、と後から聞かされました。

 僕のように下腹部に腫瘍ができると、重篤な状態にならないと気づかない。しかも、僕の腫瘍は19センチと大きく、若いので転移していると思われたんです。

 家族から病状を聞かされ、号泣しました。でも、それからは僕は「そんなわけはない」と思い続け、3カ月の入院生活を送りました。

 翌年8月、僕には歴史的な公演に出演する予定があった。大正時代から分裂していた清元2流派(高輪派、梅派)の88年ぶりの合同公演で、何としても出る。ベッドのそばに三味線を置き、気持ちを保ちました。

 幸い、転移はなかったのですが、先生から手術前、「最悪の場合、片足を切断する可能性がある」と告げられた。正座ができないのは、三味線弾きにとって受け入れがたく、涙がこぼれました。手術後、全身麻酔が切れて病室に戻ったとき、「これで助かった」「足も残してもらった」と号泣しました。

 リハビリは大変でしたが、8月の公演にも正座で出演できた。病を経て、清元への思いも一層、強まりました。(談)

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