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【話の肖像画】声優・清水マリ(4)アトムに込められた警鐘

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【話の肖像画】
声優・清水マリ(4)アトムに込められた警鐘

自伝の出版サイン会でファンと握手=7月10日、さいたま市浦和区

 〈昭和52年、両親の看病などを経て声優の仕事に全面復帰した清水さんは、一時体調を崩し、体重も激減したという〉

 父と母をみとって、2人の子供もちょうど手が少し離れた時期だったんですね。番組ではアトムそっくりの「ジェッターマルス」の主人公、マルスを演じていたんですが、周りの人がみんな大人の役をどんどんやっていて、私だけが子供役でいることに、とても焦りを感じてしまって。それまで声が元気すぎて「マイクから離れて」と言われていたのに、「もっとマイクに寄って」と言われるようになりました。人間関係もぎくしゃくして、番組の始めと終わりで15キロも体重が減ってしまいました。

 〈当時42歳。家族は「病気では」と心配したが、診断ではどこも悪くなかった〉

 あるとき、こんな状態じゃいけないなと。何で吹っ切ったかは記憶がないんですが、地元の浦和(埼玉県)で劇団「零余子(むかご)の会」を作り、「星の王子さま」の王子さま役で出演したり、民話を舞台で語る「浦和むかしむかしの会」の公演に参加したりしたのもきっかけになったのかも。そういう違う世界にも行けばいいんだと踏ん切りがついたんです。自分は自分らしく、声は一生少年の役でもいいと。そうしたら、よく眠れるようになり、体重も増えてきました。

 〈「鉄腕アトム」は55年にカラー版が、平成15年には2度目のリメーク「ASTRO BOY 鉄腕アトム」が放送された〉

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