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【鑑賞眼】歌舞伎座「七月大歌舞伎」 新演出の「牡丹燈籠」に感嘆

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【鑑賞眼】
歌舞伎座「七月大歌舞伎」 新演出の「牡丹燈籠」に感嘆

 夜は、切りの「怪談牡丹燈籠(ぼたんどうろう)」が感嘆のざわめきにあふれる。玉三郎新演出で人物群の因果因縁を大幅にカット、新三郎に焦がれ、幽霊になるお露と、彼女に金をもらい、新生活をする伴蔵(ともぞう)・お峰夫婦(中車・玉三郎)の場に絞った。2人のやりとり、馬子久蔵役で玉三郎と交わす海老蔵の喜劇性などアドリブが効果を上げる。歌舞伎であって歌舞伎を超えた娯楽作だ。猿之助が三遊亭円朝で進行役。「熊谷(くまがい)陣屋」では、海老蔵初役の熊谷が大仰な所作、性急な台詞(せりふ)廻(まわ)しも、時代に添わざるを得ない武士のアイデンティティーへの疑問と憤怒を沸騰させた作りで共鳴した。市川左團次の弥陀六(みだろく)が無類。27日まで、東京・銀座の歌舞伎座。(劇評家 石井啓夫)

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