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6月歌舞伎座「新薄雪物語」 「正宗内」団九郎、初役の吉右衛門に注目

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6月歌舞伎座「新薄雪物語」 「正宗内」団九郎、初役の吉右衛門に注目

 6月1日から歌舞伎座(東京・銀座)で始まる「六月大歌舞伎」で、時代狂言の大作「新薄雪物語」が昼夜にわたり、上演される。注目は、上演自体が13年ぶりと珍しい夜の部「正宗内」の場。人間国宝の中村吉右衛門(きちえもん)(71)が昼夜通しで刀鍛冶の団九郎を演じるが、「正宗内」の団九郎は初役だ。

 「職人かたぎがよく書かれた一場ですね。役者も職人の一部ですから、『ここから先はなかなか教えられない』という気持ちは分かります(笑)」

 団九郎(吉右衛門)は刀鍛冶の名人、正宗(中村歌六)の息子だが、悪事に加担し、父に嫌われている。横道を尽くし、刀鍛冶の秘伝まで盗もうとするが、父に腕を切り落とされ、改心。悪人が一転、善心を明かす「モドリ」と呼ばれる役柄で、善悪の落差と片手での立ち廻りが見どころ。祖父、初代吉右衛門も得意とした役だ。

 「正宗は結局、団九郎を助けてやる。台本がよくできていて、侍の世界と職人の世界それぞれ、いつの世も変わらぬ親子の情が描かれていますね」

 職人の世界と同様、後輩たちに役を教える機会も多い。「変なことを教えられないですから、むしろ自分が演じるときより準備が大変です」。芸を継承する若手と真剣に向き合う素顔をのぞかせた。

 25日まで。昼はほかに「天保遊侠録(てんぽうゆうきょうろく)」。夜はほかに「夕顔棚」。チケットホン松竹(電)0570・000・489。 (飯塚友子)

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