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【花形出番です】歌舞伎俳優・中村梅枝さん(27)(1)16歳、芝居の楽しさ覚醒

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【花形出番です】
歌舞伎俳優・中村梅枝さん(27)(1)16歳、芝居の楽しさ覚醒

(宮崎瑞穂撮影)

 初舞台は平成6年の歌舞伎座(東京・銀座)。祖父(四代目中村時蔵)の三十三回忌追善興行での『幡随長兵衛(ばんずいちょうべえ)』の倅(せがれ)、長松でした。

 当時6歳で、父(当代時蔵さん)と(萬屋)錦之介の大叔父と一緒に花道を歩いたことを覚えています。でも、引っ込み思案な子供で、人前に出るのが好きではなかったので、あまり楽しくなかった(笑)。父にも怒られてばかりで、子役の機会は少なかったと思います。

 ただ、お稽古は3歳頃から日本舞踊が始まり、僕の場合、最初からほぼ「女形」の道筋が敷かれ、女の踊りです。さらに、三味線やお琴、義太夫、清元と増え、お稽古の掛け持ちも珍しくありませんでした。

 父は、僕が小さい頃から「歌舞伎役者にならなくてもいい。嫌いでやっても仕方ない」と言っていました。実は僕は中学まで、歌舞伎を見ても何を言っているのかすら全然分からなかったんです。ただ、踊りや楽器自体は好きで、舞台に出なくてもお稽古は続けていました。

 歌舞伎に対する考えが一変したのは、16歳で「十六夜清心(いざよいせいしん)」の求女(もとめ)を演じてからです。どんなお芝居かも知らず、映像資料を見たら台詞(せりふ)も多く、大変な役だった。(心中で)死ぬの? 恥ずかしいし、できない…と思いました。(澤村)田之助のおじさまと父に基本を随分教えていただきました。

 振り返れば、何も考えず舞台に出ていたのですが、そのとき、芝居が楽しい、人前に出るのも思ったほど恥ずかしくない、と気づいてしまったんです。(談)

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