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【回顧 平成26年】演劇 女性劇作家が真価を発揮

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【回顧 平成26年】
演劇 女性劇作家が真価を発揮

宝塚歌劇100周年記念式典で、大合唱するタカラジェンヌら=兵庫県宝塚市(榎本雅弘撮影)

 今年は創作劇で女性劇作家の良い仕事が目立った。演出家や作家、制作などスタッフでも女性が珍しくなくなり、実力を発揮できる環境が整った証左だろう。実力勝負の世界で、女性活躍のうねりがさらに大きくなることを期待したい。(飯塚友子)

 筆頭に挙げたいのは、二兎社「鴎外の怪談」。作・演出の永井愛は、大逆事件の対応をめぐる明治の文豪の苦悩を描きながら、見事に現在の日本の言論状況をも照射してみせた。

 演劇集団円の「女流劇作家書下ろしシリーズ」は、若手女性劇作家3人に“団塊”という共通テーマで競作させた好企画。こんな試みも、団塊ジュニア世代の女流劇作家(内藤裕子、桑原裕子、角ひろみ)の躍進が背景にある。中でも、円所属の内藤作・演出の「初萩ノ花」は、田舎のさえない初老の男と、未亡人との微妙な関係を描いた現代版無法松の一生。市井の人のドラマを、向田邦子ばりの丁寧なタッチで描いた。次回作が楽しみだ。

 桑原は、主宰するKAKUTAでの公演「痕跡(あとあと)」が印象深い。余命を悟り、事故死した子供の痕跡を追求する母親の執念は、斉藤とも子の好演もあり、哀切極まりなかった。

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