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【花形出番です】貴重な内弟子生活 宝生流能楽師・高橋憲正さん(38)(2)

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【花形出番です】
貴重な内弟子生活 宝生流能楽師・高橋憲正さん(38)(2)

宝生流能楽師・高橋憲正さん(寺河内美奈撮影)

 東京芸大卒業後、前宝生宗家(十九世宝生英照)の内弟子になりました。

 宝生能楽堂(東京・水道橋)の2階に内弟子部屋があり、僕が入ったときで内弟子が8人。4畳半2部屋に雑魚寝の生活です。1、2年目は業務用の鍋で毎晩、8人分の食事も作りましたし、洗濯も掃除もした。普段は能楽堂詰めで、外出はコンビニに行くくらい。周囲に気を使う慣れない生活で、一気に太りました。

 結局、内弟子生活は9年半に及びました。内弟子仲間は毎年のように人が入れ替わりますが、同じ釜の飯を食った家族のような気持ちを持っています。先輩にお世話になり、後輩にもよく支えてもらったおかげで、仲良く過ごせました。

 内弟子生活で得たものは大きかった。住まいの下に本番と同じ舞台があるので、いつでも稽古ができます。僕は先輩方とは重ならないように、よく夜中の12時ごろから稽古をしました。舞台の大きさ、感覚に体を慣らすという意味で、非常によかった。

 また、蔵の出入りができたことで、流派に伝わる貴重な面や装束に触れられたのも非常に財産になった。宝生流には室町、桃山、江戸時代の素晴らしい面が豊富です。それらに間近で接したことで面に興味が出て、その価値も後から分かるようになりました。

 学生時代に能楽師として技術的なことを学び、内弟子生活で楽屋での働きや、面や装束を勉強できた。その両方を学べたことに今、とても感謝しています。(談)

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