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平成の名人、後継者育成に力 能楽金春流太鼓方の人間国宝・三島元太郎さん 

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平成の名人、後継者育成に力 能楽金春流太鼓方の人間国宝・三島元太郎さん 

太鼓を披露する能楽金春流太鼓方、三島元太郎さん =大阪府吹田市

あの世からこの世に、太鼓の音に引かれるように…

 今年7月、人間国宝の認定を受けた。現役の太鼓方ではただ一人。3月に89歳で亡くなった師、二十二世金春惣右衛門(こんぱる・そうえもん)(1924~2014年)の跡を受け継ぐ形での認定である。(亀岡典子)

 「恥ずかしながら大変ありがたいこと」と、照れることしきり。「後継者を育てることが(人間国宝の)本来の重要な責務だ、とうかがったので、それなら今後も微力を尽くしてやっていかねば、と考えました」

 能舞台で太鼓を打つときの姿勢は凛(りん)と背筋が伸び、揺るぎない美しい構えから、迫力ある音色が場内に響き渡る。「ほー」「いやーっ」。その間隙(かんげき)を縫って、元太郎さんの渾身(こんしん)の掛け声が空気を切り裂いた。

 大阪の能楽界には「三島教室」という言葉がある。太鼓方以外でも、大阪の能楽師は修業時代、太鼓を元太郎さんに習うのが慣例だ。「三島教室」は父、三島太郎(1902~2001年)の時代に始まった。

 「昔は能がもっと盛んで、父の時代には大阪でも能楽師が100人ほどいて、稽古に来ていた。今の人たちはみんな太鼓が好きで、それが何よりうれしい」と言い、「僕は父よりよっぽど親切に教えているかな」。ちゃめっ気のある笑顔を見せた。

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