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【きょうの人】矢沢亜希子さん(33) 日本人女性初のバックギャモン世界一

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【きょうの人】
矢沢亜希子さん(33) 日本人女性初のバックギャモン世界一

 ■西洋すごろく「高度な戦略必要。奥が深い」

 競技人口約3億人。西洋すごろくとも呼ばれる「バックギャモン」の世界選手権で優勝した。39回の歴史で日本勢としては3人目、日本女性では初の快挙だった。「ようやく勝てたという思いで、しばらく実感が湧きませんでした」

 8月10日までモナコで開かれた今大会には155人が参加。米国男性と対決した決勝は8時間の激闘だった。昨年まで2年続けての敗退が脳裏に浮かび、勝利の瞬間は涙が止まらなかった。10年前の国内大会で知り合って結婚した夫の広伸さん(40)からは「さすがです」と祝福の言葉をかけられたという。

 約2000年前にほぼ現在の形になった盤ゲームに興味を持ったのは、大学3年の頃。飲食店で別の盤ゲームに興じていると、のちに日本人初の世界一になる望月正行さん(35)から誘われた。「同じ局面が現れることなく、高度な戦略が必要。研究すればするほど発見があり、奥が深い」。今回初参戦で4位に入った将棋の森内俊之竜王(43)ともたびたび研究会を行い、とことん考え抜く姿勢に刺激を受けた。

 欧米では公園や海岸で遊ぶ人がいるなど市民権を得ている。日本書紀にも「盤双六(ばんすごろく)」の記述があり、7世紀後半には持統天皇により禁止令が出されるほど庶民が熱狂したことも。「(今の)日本ではなぜかギャンブルと思われ、認知されていないのが悔しい」

 世界選手権前の2カ月、大会出場のため欧米を転々とした。優勝賞金5万ユーロ(約680万円)も「次の大会への資金です。参加費に飛行機代…。勝たなければ赤字ですから」。あくなき勝負師だ。(伊藤洋一)

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