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【インタビュー】野島卓さん(下)フジテレビ・アナウンサー

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【インタビュー】
野島卓さん(下)フジテレビ・アナウンサー

報道番組「FNNスピーク」を担当する野島卓アナウンサー(中央)。左は同番組を担当する斉藤舞子アナ、右は山中章子アナ

 ■使えなかった新人時代、鍛えられた「現場報道」

 フジテレビ系昼の報道番組「FNNスピーク」(月~金曜午前11時半)に出演している野島卓(たかし)さん(47)はニュースを分かりやすく届ける話術に定評がある。それでも新人時代は「使えないと言われ、怒られてばかりだった」という。

 最も高かったハードルは読み方。小学生時代に「文章を読むとき、最初は高い音で入り、だんだん低くしていく」と習った。しかし、ニュースのナレーションは大事な部分を高くゆっくり語る。「子供のころから癖になっている読み方をなかなか修正できなかった。ナレーションの読み方を頭では理解できても、実行できませんでした」。制作サイドから「他の人に替えてくれ」とまで言われたという。

 新人時代に「使えない」という烙印(らくいん)を押されてしまい、1年目はほとんど仕事がなかった。「アナウンサーを名乗っているのに、ナレーションができないのは申し訳ないし情けなかった。退職も考えたけれど『何も実を結ばないままでは悔しい』と思いとどまりました」

 ハードルを越えるためには練習するしかないと思い至った。読み方は「先輩がスポーツ実況するVTRを一生懸命に視聴し、まねをして」克服した。

 自信をつけ始めた平成7年に地下鉄サリン事件が起きた。それまで主にスポーツ担当だったが、「現場で状況を伝えたい」と報道を志願。朝の情報番組「めざましテレビ」の担当として、麻原彰晃死刑囚の逮捕などを報じた。

 「時々刻々と状況が変わり、原稿の下読みがほぼできない状況だった。その場で文章の意味を読み取らなければならず、鍛えられました。違和感を与えないナレーションができるようになった気がします」

 30代前半には夕方の報道番組「スーパーニュース」のフィールドキャスターに抜擢(ばってき)。埼玉県桶川市のストーカー殺人事件では、現場に花を持ってきた人から被疑者につながる重要な証言を得て、1日かけて出演交渉した。「事件について話してくれる人は少ない。記者がとってくる情報の貴重さを実感しました」。「FNNスピーク」でも事件原稿を読むときは取材の労苦に思いを馳せ、臨場感たっぷりに伝えている。

 アナウンサー失格の烙印をはねのけ、練習で乗り越えてきた。経てきた年月がすべて、その力強い語り口に表れている。

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