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【シネマティックな人々】脚本を読み込む力のある役者を 「映画24区スクール」が目指すもの

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【シネマティックな人々】
脚本を読み込む力のある役者を 「映画24区スクール」が目指すもの

 自らの頭で考えて作品づくりができる役者を育てたい-。そんな崇高な目的で俳優育成のワークショップを開いているのが、東京・千駄ケ谷に事務所を構える映画24区だ。今年の4月からはカリキュラムを大幅に変え、一流の映画監督のもと、毎月10日間の集中講座を開いている。稽古場を訪れると、20人の若者が真剣勝負の演技訓練に汗と涙を流していた。(藤井克郎)

 「兄弟げんか」のテーマで女性受講生が演じる即興芝居は佳境を迎えていた。「どうして、お姉ちゃんは…」。妹役の受講生が感極まって涙を流す。気丈に妹を諭していた姉役も言葉に詰まる。そんな2人の演技を、ほかの受講生が固唾をのんで見守る。

 「はい、カット!」

 講師を務める熊切和嘉監督(39)が芝居をとめたのは、演技がスタートしてから45分も後のことだった。「いやあ、おもしろかった。1本作品を撮った気がしたよ。すごく揺り動かされました」と興奮気味に感想を口にする。

 映画製作や映画人育成のワークショップを手がけてきた映画24区が「映画24区スクール」として新たな講座を始めたのは、今年4月からだ。特に注目すべきカリキュラムは俳優コースの演技訓練クラスで、毎月10日間の日程でゲスト監督を講師に迎え、撮影現場での応用力を身につける集中講義を行う。これまでに吉田康弘、冨樫森、市井昌秀の各監督が務めており、7月は公開中の「私の男」がモスクワ国際映画祭で最優秀作品賞を獲得したばかりの熊切監督を招聘(しょうへい)。与えられたテーマをもとに、受講生がシチュエーションだけを設定して即興芝居に臨むという訓練を積んでいる。

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