産経ニュース

秩序と混沌 2都市の陰影 映画「KILLERS/キラーズ」 ティモ・ジャヤント監督

エンタメ エンタメ

記事詳細

更新


秩序と混沌 2都市の陰影 映画「KILLERS/キラーズ」 ティモ・ジャヤント監督

 公開中の日本・インドネシア合作映画「KILLERS/キラーズ」は、東京とジャカルタを舞台に狂気と暴力が渦巻く異色作だ。日本公開に合わせて来日したティモ・ジャヤント監督(33)は「整然とした東京と混沌(こんとん)としたジャカルタのコントラストを見てほしい」と話す。

 東京の片隅に生きる野村(北村一輝)は、女性を殺害する様子を撮影し、インターネットの動画サイトで流すことに快感を見いだしていた。ジャカルタで不正を追及していたジャーナリストのバユ(オカ・アンタラ)はたまたま野村の映像を目にし、殺しのとりこになっていく…。東京の空虚感とジャカルタの雑然とした風景が交錯するスタイリッシュな演出に加え、ネット社会への風刺も込められており、バイオレンス映画の枠を超えた力強い作品に仕上がっている。

 以前から日本映画に親しんでいたというジャヤント監督は「日本での撮影は最高の経験だった」と振り返るが、一方でジャカルタのシーンでは「ジャカルタに住むストレスを忠実に描こうと思った。ジャカルタでは危険が日常にあふれていますから」と話す。

 「映画では生活していけない」という両親の反対を押し切って、オーストラリアの映画学校に進学。ここで知り合ったキモ・スタンボエル監督(33)と意気投合し、モー・ブラザーズの名前で共同監督して映画を撮ってきた。今回も2人で監督を務めているが、「彼のおかげで明るい結末になった」と打ち明ける。

 昨年末、東京での記者会見で、2人の監督から「高い経験値を持った偉大な役者」と評された主演の北村は「現場では決して怒鳴ることなく、とても温かかった。とにかく音やカメラワークのセンスのよさには驚きます」と称賛していた。(藤井克郎)

「エンタメ」のランキング