花組 明日海りお、赤色のシャツで気合 信念の人・天草四郎を熱演

華麗なる宝塚
流雨(仙名彩世、右)と天草四郎(明日海りお)は思いを確かめ合う (鈴木健児撮影)

 宝塚歌劇団花組トップスター、明日海(あすみ)りお主演「MESSIAH(メサイア)-異聞・天草四郎-」(作・演出、原田諒)「BEAUTIFUL GARDEN(ビューティフル・ガーデン)-百花繚乱(りょうらん)-」(作・演出、野口幸作)が東京宝塚劇場(千代田区)で開幕した。オリジナルの2本立て。明日海は「組の個性的なメンバーそれぞれが、自分の新しい可能性に挑んでいます」と笑顔で語る。(橋本奈実)

 爽やかな明るい笑顔が、深紅色のシャツに映える。「天草四郎役で赤色系の衣装を着ているので、私も赤色で。赤色は気合が入ります」とほほ笑む。

 「MESSIAH-」は、江戸初期に起きたキリシタン中心の一揆である島原の乱の指導者、天草四郎時貞を独創的に描く作品。「ショーも含め、あえてメンバーのイメージとは違うものを与えていただき、新しい可能性に向かっている気がします」

 荒々しい海賊の主人公は、流れ着いた天草で四郎と名付けられ、人の温かさに触れ、民衆のため、彼らの救世主(メサイア)として立ち上がる。環境は違えど、仲間の先頭に立つ点は、自身と近いが…。

 「彼は何万もの人々を率いているので、それだけの人々の心をひきつける引力、説得力が必要。彼の根本にある、人への熱さと信念の強さを出せたら」

 役作りのため、5月の博多座公演後、仲間と熊本・天草へ。天草四郎ミュージアムや四郎の首塚とされる地などを巡った。「美しい海に島々が点在する景色などを目に焼き付けました」

 隠れキリシタンを描く米映画「沈黙-サイレンス-」(マーティン・スコセッシ監督)も見た。「(拷問場面が)怖くて、稽古場でみんなと少しずつ見た」と苦笑い。今公演は「心のあり方を軸に置いた」宝塚らしい作品になった。セットや衣装は和物の枠を超え、現代的なエッセンスを取り入れたものになった。四郎はブーツ姿で、「みんなと一緒に戦う、という熱い思いの表れ」である赤色系の装い。高く結った髪にも赤色のメッシュを入れた。

 ショーは、花にまつわる恋人たちの愛や夢を名曲でつづる。「楽曲のジャンルは幅が広く、芝居仕立ての場面もあります」と見どころも満載だ。

 トップに就任して5年目。組の充実を感じる。「最近よく、花組は個性的と言っていただくのですが、柚香光(ゆずか・れい)をはじめ、みんなの存在感がさらに増した」

 今年、漫画原作の「ポーの一族」の舞台化を成功させたトップや組への期待は高まる。「同じところにはいられない。より上を目指して頑張る」。今冬には劇団初の、東京ディズニーリゾート内(千葉県浦安市)にある舞浜アンフィシアターでの公演という新たな挑戦も控える。「ディズニーアニメを見て育ったのでうれしくて」と笑顔。美しきトップは、さらに高みを目指して挑み続ける。

 10月14日まで。(電)0570・00・5100。