100歳時代プロジェクト 自立して生活できる努力を 元慶応義塾大学塾長 清家篤さん(64)

産経新聞創刊85周年
清家篤さん

 私たちは人類長年の夢である長寿を実現しました。それを喜ぶことのできる条件は何か。それは年を取っても自立した生活を送れるかどうかです。自立した生活の最も重要な条件は心身の自立です。年を取っても心身の健康を維持する。自分の健康寿命を延ばすということです。ここでは生活習慣病の予防など若いときからの努力も重要となります。

 また経済的自立も欠かせません。そのためには仕事を続けられることも大切です。自分の職業寿命を延ばすということです。仕事を続けることは生きがいにもつながり健康寿命を延ばすことにも寄与します。

 経済的自立には資産の活用も重要です。金融資産は年齢とともに増えますから、そこからの収益は高齢期の経済的な自立に大きく寄与します。自分の資産寿命を延ばすということです。

 自立できなくなれば寿命も尽きてしまう動物とは異なり、人間は社会的に支え合うことで長寿を実現してきました。しかし、それは自立が困難になったときのことで、また支え合いの社会では支える側は多いほど良い。政府の仕事は個人の自立を最大限可能にすること。年を取っても一人一人が尊厳を持って自立的な生活をできるよう、個人も努力し政府もそのための条件整備に努めてほしいと思います。