【産経新聞創刊85周年】新聞協会賞受賞者の声 被災女性の言葉に涙止まらず 大山文兄・写真報道局ニュース担当部次長 - 産経ニュース

【産経新聞創刊85周年】新聞協会賞受賞者の声 被災女性の言葉に涙止まらず 大山文兄・写真報道局ニュース担当部次長

大山文兄・写真報道局ニュース担当部次長
御嶽山の山頂付近で救助を待つ女性(平成26年9月)
 「右手が動いている!」
 あのときの興奮は今でも忘れることができない。御嶽山噴火の翌日、石造りの台座に寄りかかる女性の姿を、高度約4500メートルから撮影した。
 周囲にはひと目で亡くなっていると分かるご遺体が複数横たわり、肉眼では小さな点にしか見えない人影。生死も男女の判別すら分からない。
 800ミリの超望遠レンズを使用し、揺れる機内から夢中でシャッターを押した。帰投する機内で撮影画像を確認。初めて女性の右手が動いていることに気がついた。
 報道写真として評価された1枚だが、女性救助の手助けになったわけではない。噴火から1年後、ご家族の協力を得て、女性とお会いすることができた。「受賞おめでとうございます」。女性の言葉に涙が止まらなかった。
 (大山次長は平成13年の協会賞も受賞)