【西城秀樹さん葬儀】歌手、野口五郎さんの弔辞全文(上) 「僕と君とは、心の大きさ違うよね」 - 産経ニュース

【西城秀樹さん葬儀】歌手、野口五郎さんの弔辞全文(上) 「僕と君とは、心の大きさ違うよね」

西城秀樹さんの葬儀・告別式で、弔辞を読みながら涙を拭う野口五郎さん=26日午前、東京都港区の青山葬儀所(代表撮影)
西城秀樹さんの葬儀・告別式で弔辞を読む野口五郎さん=26日午前、東京都港区の青山葬儀所(代表撮影)
 歌手の西城秀樹さんの葬儀・告別式で、歌手の野口五郎さんが遺影に語りかけた弔辞は以下の通り。
いろんなことを思い出して泣いてばかりいる
 秀樹、君が突然、去ってしまったことを知ってから何日がたっただろうか。皆さんに「気持ちの整理がつくまでに少し時間をください」とお願いしたのだけど、どうやってこの現実を受け止めてよいのか。いまだに君の言葉を、いろんなことを思い出して泣いてばかりいる。秀樹との46年間は簡単に語りきれるものではありません。こんなふうに君への弔辞を読むなんて考えてもいなかった。
 僕にとって、君は本当に特別な存在だった。あるときは兄のようでもあり、あるときは弟のようでもあり、親友でもあり、ライバルでもあって。いつも怒るのは僕で、君は怒ることもなく、全部受け止めてくれて…。今思うと、僕と君とは、心の大きさが違うよね。つくづくそう思うよ。いつも僕のいうことを大事に、大事に、聞いてくれて。なんでそんなに信用してくれていたの?
僕だけに合図送ってくれた
 訃報を聞いて、君の家に向かう途中で、僕は突然、思い出して、妻に言った。
 秀樹の歌で「ブーメランストリート」って曲があって、ブーメランだからあなたが「きっと戻ってくる」って歌詞だけど、アンサーソングとして戻ってこなかった人を「ブーメランストレート」ってどうって(秀樹に)言ったら、「それ、いいね」って、秀樹が大笑いして。そうしたら彼、本当に「ブーメランストレート」っていう曲、出してしまったんだよ。
 君の家に着き、君に手を合わせ、奥さんの美紀さんと話し始めたら、秀樹の曲をかけ続けていたディスプレーから、突然「ブーメランストレート」が流れてきた。数百曲もある君の曲の中で「五郎、来てくれたね」。君が僕だけに分かる合図を送ってくれたのかなって、そう思ったよ。
まるで当たり前のように「ありがとう」と
 30年ほど前に、君は「チャリティーコンサートをするんだけど、その時の曲を作ってほしい」って突然、言い出した。「秀樹、僕は人の曲は作らないって知っているだろ?」「うん、だから作って」「秀樹、『だから作って』は、日本語、変だから」「うん、最後にみんなで歌う曲、作ってほしいんだよ」「秀樹、悪いけど無理だから。それ、できないから」「分かっている。一応、締め切りはいついつだから」「秀樹、それできないからね」って別れたのに、締め切り日ギリギリにパジャマ着て、譜面とデモ音源を君の家に届けた僕に、まるで僕が作ってくるのが当たり前のように玄関先で「ありがとね」って、君は笑顔で一言。完全に見透かされているよね。
 今年になってから、その曲がシングルカットされているのを知って。僕はそれまで知らなかったんだよ、シングルカットされているのは。君のマネジャーにお願いして、音源をもらって、マルチがないからCDから君の声だけ取り出して今年2月の僕のコンサートでデュエットした。なぜ今年だったんだろう。不思議でならない。コンサートを見に来てくださった君のファンの方も喜んでくださったって、奥さんから聞きました。
 (下)「お前のラブソング 天国で極めてくれ」に続く