【カンヌ映画祭】家族を中心に人間を見つめ続ける 日本人21年ぶり快挙の是枝裕和監督 - 産経ニュース

【カンヌ映画祭】家族を中心に人間を見つめ続ける 日本人21年ぶり快挙の是枝裕和監督

 14日、第71回カンヌ国際映画祭で、映画「万引き家族」の出演者と写真撮影に応じる是枝裕和監督(左から2人目)=フランス・カンヌ
 フランス・カンヌで開催された第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で、最高賞パルムドールに輝いた是枝裕和監督=19日(ゲッティ=共同)
 第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で最高賞パルムドールを受賞し、記者会見で笑顔を見せる是枝裕和監督=19日、フランス・カンヌ(ゲッティ=共同)
 第71回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した映画監督の是枝裕和(これえだ・ひろかず)さん(ゲッティ=共同)
 第71回カンヌ国際映画祭授賞式で、最高賞パルムドールを受けるためにステージへ向かう是枝裕和監督(左)=19日、フランス・カンヌ(ロイター=共同)
 日本人監督21年ぶりの快挙は、幅広い作品で人間を見つめてきた名匠にもたらされた。カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した是枝裕和監督は、若いころから海外の映画祭で高い評価を受けてきた。描き続けてきた家族を題材にした作品で、ついに世界最高峰の栄誉を手にした。
 是枝監督にとって長編13作目となる「万引き家族」は、都会の片隅に生きるある家族の姿を描いている。ビルの谷間の一軒家には、祖母の年金を頼りに万引で補う父と息子、母とその妹の5人が暮らしていた。ある日、幼児虐待で居場所のない女の子を迎え入れたことから、さまざまな秘密が暴かれていく。
 人と人のつながりの清らかさ、大切な人を思う心の純粋さを、主役のリリー・フランキーさんや安藤サクラさんらが自然な演技で見せきっており、審査員長を務めた女優、ケイト・ブランシェットさんは「俳優らの演技と監督のビジョンが完全にかみ合っていることに圧倒された。並外れた映画です」と最大限の賛辞を口にした。
 昭和37年生まれの是枝監督は、テレビのドキュメンタリー番組を手がけた後、平成7年の初監督映画「幻の光」がベネチア国際映画祭に選出。カンヌには、13年の「DISTANCE/ディスタンス」以降、今回の「万引き家族」まで7作品で参加し、着実に世界の評価を獲得してきた。
 1946年に始まったカンヌは、2月のベルリン、9月のベネチアと並ぶ世界三大映画祭の1つだが、規模や権威は他に抜きんでており、メインのコンペティション部門に選出されるだけで価値がある。
 今年は21作品が選ばれており、フランス・ヌーベルバーグの巨匠、ジャン=リュック・ゴダール監督をはじめ錚々(そうそう)たる顔ぶれが並んだ。その頂点に輝いた是枝監督は、まさに今日を代表する世界の映画作家といえるだろう。(藤井克郎)