木曜劇場「モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-」ディーン・フジオカ

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「モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-」で復讐鬼を演じる俳優のディーン・フジオカ(川口良介撮影)

復讐する人の気持ちがわかりました

 「生きること、死ぬことについて、リアルに感じられるドラマ。見た人がそれぞれ自分なりの生き方の答えを見つけられるはず」

 ストーリーは、現代日本の小さな漁師町からはじまる。フランスの小説家、アレクサンドル・デュマによって1841年に書かれた復讐譚(ふくしゅうたん)「モンテ・クリスト伯」が原作。主人公の船員、柴門暖(さいもん・だん)は、美しい恋人の目黒すみれ(山本美月)と結ばれた結婚式の日に、周囲の人間に無実の罪を着せられて逮捕、投獄され、どん底におとしめられていく…。

 「今回の撮影ではひどい目にあった」と振り返る。血や泥で手足を汚して苦しむ投獄後の拷問シーンは、相当過酷だったようだ。殴られ、海に投げ込まれたほか、水責めでは実際に手足を押さえつけられ、布をかぶせた頭に冷水を掛けられた。「頭が痛くて、寒くて、気が狂いそうになった。『もう嫌だ、止めてくれ』と抵抗したのが、そのまま良い演技になっている」と笑う。

 本人の前向きな性格から、撮影がはじまる前のインタビューでは「個人的には復讐なんてやらない方がいいと思う。それよりも自分が幸せになるために時間を使うべきなのでは」と語っていた。しかし、柴門の人生を追体験するうちに、「復讐する人の気持ちがわかりました」。

 実生活では俳優のほか、映画監督やモデル、ミュージシャンとしても多才に活躍する。今回の主題歌「Echo(エコー)」も担当しており、叙情的なメロディーに合わせ、物語の内容に沿った全英語の歌詞を書き下ろした。曲に込めたのは「許しとは、救いとは…答えの出ない疑問が“絶望の嘆き”となって、頭の中で反響し続けるイメージ」だ。

 一時は廃人同然に追い込まれた柴門は15年後、モンテ・クリスト・真海と名乗る別人の姿で、復讐者としてよみがえる。「ヴァンパイアのような、この世の者ではない雰囲気で演じたい」と話し、素朴な漁師姿から一転、スーツを着こなして洗練されたたたずまいに。「ゲームのような気持ちで、どう憎い人間たちを追い詰めていこうかなと…」。

 タブーやモラルに頓着しないで復讐に突き進む主人公だが、いつか“暖かな”感情を取り戻す日が来るのかもしれない。

 「復讐や許しという重いテーマを、どう表現するのか。暖の生き方を見守ってほしいと思います」(文化部 三宅令)

 ●フジテレビ系 毎週木曜午後10時~

 ディーン・フジオカ 昭和55年、福島県生まれ。モデルとして活動を始め、平成17年に香港映画「八月の物語」で主演、俳優デビュー。アジアを中心に活動を行う。日本では27年にNHK連続テレビ小説「あさが来た」の五代友厚役でブレーク。ミュージシャンとしては今年6月20日にドラマ主題歌を含む、セカンドシングル「Echo」を発売。