「シコふんじゃった。」の周防正行監督が名誉監督就任 創部100年目を迎える立教大学相撲部

 
立教大学の吉岡知哉総長(左)から相撲部名誉監督の委嘱状を受け取った映画監督の周防正行氏=13日午後、東京都豊島区(飯田英男撮影)

 映画の力で相撲部の再興を-。「Shall we ダンス?」などで知られる周防正行監督(61)が母校、立教大学の相撲部名誉監督に就任することになり、13日、東京都豊島区の同大学池袋キャンパスで会見が開かれた。同大学の吉岡知哉総長から「一肌脱いでもらって、いろんな形で相撲部を応援していただきたい」と委嘱状を交付された周防監督は「どのような形で貢献できるかわからないが、長い歴史のある相撲から若者が離れていくのは寂しい。多くの人に相撲を経験してもらえるような環境づくりにご協力できたら」と決意を口にした。

 この日は、周防監督の名誉監督就任とともに、映画プロデューサーの桝井省志さんの名誉部員就任も発表された。2人は弱小大学相撲部員の奮闘を本木雅弘主演で描いた映画「シコふんじゃった。」を平成4年にヒットさせている。部員数の不足で大会出場が危ぶまれる相撲部に無理やり入部させられた今時の若者が、やがて相撲の面白さに目覚めていくというコメディーで、モデルにしたのが立教大学相撲部だった。

 1919年創部という歴史を誇り、60年代には学生横綱も輩出している名門だが、82年の卒業生を最後に正部員ゼロの時代が続き、各種運動部員の助っ人を頼って大会に出場していた。周防監督はその話を耳にして「シコふんじゃった。」を企画。その後は映画効果もあって、10年ほど部員不足は解消されていた。

 だが、どこの大学も相撲部の不人気は深刻で、同大学が所属する東日本学生相撲リーグ戦はかつて32校が加盟していたが、現在では20校しか参加していない。立教大学も、4年生が卒業した現在は選手2人、女子マネジャーが4人だけという小所帯で、団体戦に出場するための5人に満たないというのが現状だ。

 今年は創部100年目を迎えることもあり、周防監督に白羽の矢が立ったが、「多分、20年前だったら躊躇(ちゅうちょ)したかもしれない」と周防監督は打ち明ける。

 「60歳を過ぎて振り返ると、僕の映画作りにおいて『シコふんじゃった。』は大きなポイントで、あのときの恩返しをしたいという気持ちは強い。今の若者に相撲部で頑張ってみようと思ってもらうのは大変だと思うが、『シコふんじゃった。』で最後に主人公が一生懸命にやったことで得るものがあったと実感を持ったように、今の若者にも感じてもらいたいですね」

 この日の会見に同席した相撲部監督の坂田直明さんによると、まずは新入部員勧誘のためのビデオメッセージを寄せてもらうほか、5月に行われる稽古総見にも出席してほしいという。「もしかすると周防さんに会いたいという動機で入ってくるかもしれない」と期待を寄せる。

 新年度の主将は、選手の横田奏樹さんと女子マネジャーの奥村百花さんが共同で務める。2人は「周防監督、桝井さんのお力添えをいただいて、新入部員がたくさん入ってくることを期待して頑張りたい。周防名誉監督からは相撲だけでなく映画のことや人生のことも学び、桝井名誉部員とはともに汗を流し、立教相撲部をもっと盛り上げ、認知度を上げていきたい」と話し、笑いを誘っていた。(藤井克郎)